夏季休診日のお知らせ

残夏の候、暑さが残る時期ですが体調など崩しやすい季節となりました

当院では電子カルテのサーバー保守及びお盆のお休みを今年度は8月12日(金曜日)、13日(土曜日)をいただき両日は休診日とさせていただきます。ご迷惑・不自由をお掛けいたしますがご理解のほど宜しくお願い致します。

武蔵中原駅から徒歩1分の心療内科 “中原こころのクリニック”

「失われた自分らしさ」を取り戻し、心身ともに健康な姿をめざしませんか?訪問診療/往診/JR南武線武蔵中原よりアクセス良好/当日予約受付/固定医師によるかかりつけ制/自立支援医療・生活保護認定機関/武蔵新城/武蔵小杉/溝の口/溝ノ口/高津/川崎市/中原区/認知症/ひきこもり/うつ病/不眠症/発達障害/不登校/精神科/心療内科/精神科訪問診療

日常生活における「笑い」は認知機能にどう影響を与えるのか?

新しい季節がひと段落し、疲れもたまりやすい時期でもありますのでときに、ひと息をつきながら抱え過ぎずに生活をしていけたらいいのかなと思っております本日ご紹介する論文は認知症と日常に関する論文で日本の研究者によるものです年齢を重ねると社会的関係が希薄となりがちです都市部ではご近所付き合いや海外におけるホームパーティーなど文化的背景もあることでしょう。ひとりになったとき、また孤独を感じた時皆さまの癒しはなにですか?日本のテレビ番組でお笑い番組が増えているのも親しみや愛着を求めているかもしれません

認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。 アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。 次いで多い血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によっておきる認知症です2)

では笑いと認知症のリスク(発症の危険度)についての論文サマリーです

笑いと認知症のリスクの機会:6年間のコホート研究からの所見1)

AIM : Currently, there is little evidence on the relationship between laughter and the risk of dementia, and since laughter is mainly a social behavior, we aimed to examine the association between various occasions for laughter and the risk of dementia in Japanese older adults.

目的:現在、笑いと認知症のリスクとの関係についての証拠はほとんどなく、笑いは主に社会的行動であるため、日本の高齢者における笑いのさまざまな機会と認知症のリスクとの関連を調べることを目的としました。

METHODS : We draw upon 6-year follow-up data from the Japan Gerontological Evaluation Study, including 12 165 independent older adults aged 65 years or over. Occasions for laughter were assessed using a questionnaire, while dementia was diagnosed using the standardized dementia scale of the long-term care insurance system in Japan. Cox proportional hazards models were estimated, yielding hazard ratios and 95% confidence intervals (CIs).

方法:65歳以上の12 165人の独立した高齢者を含む、日本老年学評価研究からの6年間の追跡データを利用します。笑いの機会は質問票を用いて評価され、認知症は日本の介護保険制度の標準化された認知症尺度を用いて診断された。コックス比例ハザードモデルが推定され、ハザード比と95%信頼区間(CI)が得られました。

RESULTS : The multivariable hazard ratio of dementia incidence for all participants in the groups for high versus low variety of occasions for laughter was 0.84 (95% CI: 0.72-0.98, P for trend <0.001). A greater variety of occasions for laughter was associated with a lower risk of dementia 0.78 (95% CI: 0.63-0.96, P for trend <0.001) among women, but was less pronounced for men, with significant associations only for the medium group. Laughing during conversations with friends, communicating with children or grandchildren, and listening to the radio were primarily associated with decreased risk.

結果:笑いの機会が多い場合と少ない場合のグループのすべての参加者の認知症発生率の多変量ハザード比は0.84でした(95%CI:0.72-0.98、傾向<0.001のP)。笑いの機会の多様性は、女性の認知症のリスクが低いことと関連していました(95%CI:0.63-0.96、傾向<0.001のP)が、男性ではそれほど顕著ではなく、中程度のグループでのみ有意な関連がありました。友人との会話中の笑い、子供や孫とのコミュニケーション、ラジオの聴取は、主にリスクの低下と関連していました。

CONCLUSION : A greater variety of laughter occasions in individual and social settings was associated with a reduced risk of dementia. Geriatr Gerontol Int 2022;

結論:個人的および社会的状況でのより多様な笑いの機会は、認知症のリスクの低下と関連していた。

この論文の面白さは男女に有意差がついたことになります。私の周りには男性の友人の方がお笑いを好むような傾向がありましたが、笑い・癒しにより女性が情緒的安定を獲得され良眠をとられたのではないかと推測しました。ディスプレイ鑑賞は不眠や被刺激性の亢進を生むため、対面やラジオなど音声(人の声)の重要性を改めて確認できました。わたしは現在ジェーンスーさんのラジオが好きですが皆さまのおすすめを教えていただけたら嬉しいです。

1) Yu Wang, et al: Geriatrics & gerontology international. 2022 Mar 14

2) 厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイトより抜粋

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GW期間中における休診日のお知らせ

新緑香る季節となりました。新しい季節の緊張感も緩和されつつあります

当院における休診日は旗日通りとなります

4/29(金曜)・5/3(火曜)~5/5(木曜)までが休診日です

ご迷惑をお掛けしますがご理解のほどよろしくお願い致します

中原こころのクリニック

四ノ宮 拝

武蔵中原駅から徒歩1分の心療内科 “中原こころのクリニック”

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日本の医師は自由に名乗れますか?? 

私は幼少期に食が細く、肺炎となり大学病院入院したことがあります。

当時からどうも医療機関受診については抵抗感や不安が拭えませんでした

かかりつけ医を選ぶ基準は100人いれば100通りがあり、相性も一概なものではないかと思います。医師の専門は自由標榜性に基づいております。

自由標榜性とは医師が自分の専門を自由に選定できることです

私は心療内科医や精神科医として従事しておりますが、時に内科のお仕事を手伝うこともございます。病院やクリニックの看板に○○科と標榜されていたらその先生は○○科の先生の先生となりますが、現在の日本においては麻酔科を除き、医師個人が自由に私は○○科の医師と掲げることができます。

医師のキャリアパスについて一緒に追っていきましょう。

医学部の6年間を卒業すると医師国家試験の受験資格が与えられ、国家試験に合格すると初期の臨床研修医として社会人になり2年間の国の指定を受けた研修病院や大学病院にて研修医として労務に従事します。2004年にスーパーローテーション制度が開始され、研修医の2年間は大分変わりました1)。往来の「外科」「救命科」「地域医療」に加え、2020年から「精神科」「外科」「小児科」「産婦人科」が加わり7つの科目が厚生労働省より必修科目となり研修医はより幅広い科目について修練を積むこととなりました。一方では限られた2年間のなかで知識や技術が散在してしまうという問題もあります。

私の初期研修医先は当時救命医がひとりの医師であり、学生時代に積極的な学生とはいえない自分にとっては動かないことにはなにも始まらない病院でした。大学病院とはことなる環境においてまず行動化そして、そこに裏付けをのせていくといった急性期ならでは修練が現在の医師像を作っていただきました。カンファレンスや論文検索・学会発表の機会は小さい病院のなかでとても配慮して戴きました。精神科医になったいま、時折救命当直のお仕事の依頼をいただけるのは「専門外」ではあるものの当時の信任からであり嬉しく感じるものの私が果たしていまの能力で診ていいものなのかという葛藤もあります。クリニックを開設し、そのような時間はほとんどなくなりましたが、初期研修医は医師の基本の骨格でであるのは間違いありません。

その後のキャリアパスですが、研修医を修了した医師はそれぞれの専門を検討します。希望する専門や研修医の時に選定される方やそれぞれの進路に進みます。

研修医を修了した時点で市民の方にとっては、○○科の先生でありその先生がなにものであるのか分からない状態で医師患者関係が成立することになります。

私たちは基本領域主要19科目にて専門医を取得するための専攻医という立場に移行し、指導医のもと研修施設にて診断及び治療のみならずコメディカルや患者様・ご家族との対応について指導を受けます。その後、各学会の専門医試験を受け合格したものが晴れて専門医として一定の診察に纏わる資質があるとのお墨付きを得て独り立ちという立場になります。

専門医制度も改革が起き2)、学会主導から日本専門医機構が管理することとなり専門医の取得基準も難しくなりつつあり、また子育て中の医師にとっては常勤という勤務形態が維持困難となり専門医の取得を断念される医師も増えている現状にあります。

医師には残業の規制もないため今後は働き方の改革を含めて専門医取得や維持については引き続き議論がなされることを願っております。

個人的に気になることは今後「アレルギー専門医」を小児科、皮膚科や耳鼻科及び眼科の先生が標榜することが難しくなり、内科の専門医が求められることになることです。現在日本アレルギー学会が専門医機構との交渉を行っております3)。アレルギーの受診は小児科、皮膚科や耳鼻科・眼科の先生が対応されることが多いと思いますので若い先生のモチベーション低下や患者様がどこを受診したらいいのか判断しかねる状況とならないことを願うばかりです。

話が長くなり申し訳ありません。

すべての科目において専門医を取得されている、もしくは専攻医のキャリアがある先生は一定の指導下にて修練を積まれた医師でありひとつの医療機関や医師を選ぶ際において患者さまの指針になるものと思われます。一方で専門医にあぐらをかいてはいけませんし、また自己研鑽において優秀な臨床家となっている先生もたくさんいらっしゃることもお伝えしたいことではあります。今後、医療機関を選定するうえでひとつの指針として、研修医をおえて疲弊した医師が再び専攻医として修練を積み専門家(医)となることについて本日はお話をさせていただきました。私自身は専門医では御座いますが、精神科医としては、未熟な立場です。ただ、表面的な優しさというよりは胸に響くような診察を心掛けたいと思っています。診察室のドアを閉めたときに抜けてしまうような言葉よりも適度なストレスで患者様が少しでも変化できるお手伝いができたら幸甚です。

1) 新制度(平成16年度の臨床研修から適用)創設までの経緯.厚生労働省医師臨床研修制度

2)career:医学生・若手医師のための医局情報サイト.新専門医制度とはより抜粋

3)日本アレルギー学会 ホームページより抜粋

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うつ病からの復職者の再発再燃を防ぐために精神科医と産業医ができること 2

被雇用者(患者様)・産業医・主担当医に職場の上司や人事を交えて病状の評価及び、復職への調整を私たちは行っております。私は主に主担当医としての立場での復職への治療を奏功させていくことが任務となります。休職においては適応障害やうつ病が主病名となること多くなりますが、診断以上に大切にしていることは病状が回復したところで労務復帰には仕事の質やボリューム、職場環境など外的な要因がある程度改善されないと症状が改善しても持続可能な労務が困難となり再度の休職となってしまいます。外来で疾病に限らずほぼ同じようにお伝えさせて頂いていることは「働かなきゃではなく働きたいという意思モチベーションが見いだせること」、「労務は一時的なものではなく持続可能なもの」そして労働環境が本人の心にとって許容されることになります。

労務復帰に焦りは禁物ですし、また社会から離れる時間が長くなるほどに復職は困難となってきます。医療面接のなかで症状ならびに労働環境について適宜ヒアリングを行っていくことが私のタスクのなかで重要視していることになります。

具体的には本人に対して、薬物療法、精神療法、休養などを提案するとともに、復職に向けてできる限りの助言にて対応をおこなっております。認知行動療法を取り入れ、認知の修正(思考の癖の修正)、復職後の再発再燃防止を念頭に価値観や行動パターンなどを患者様とともに考えていくことも多くあります。復職後に残念ながら、治療のあとに獲得した感覚が減弱し、病前の性格や行動パターンに戻りその結果再燃してしまうこともあります。

それを防ぐためには復職にあたり、職域と本人の考え方や行動パターンについて理解を深めていく必要があり医療機関と職域での連携が大事となります1)

2000年に国から『事業場における労働者の心の健康まちづくりのための指針』がだされ、ここに「4つのケア」という言われる内容が含まれます3)。4つのケアとはセルフケア、上司部下といった関係性などラインによるケア、事業場外資限によるケアの「4つのケア」から職域のメンタルヘルス体制を構築することが示されている。精神科主治医とは職域から離れた資源事業内に該当し、直接セルフケアやラインによるケアに関わるよりは事業内産業保健スタッフと連携を行い逆行性に患者様に(セルフケア)まで情報を共有することが重要である。

復職規定については2004年に国が出して以降改訂を続けている「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰手引き」2)を参照としてみましょう。

第1ステップ  病気休業開始及び休業中のケア

第2ステップ  主治医による職場復帰可能判断

第3ステップ  職場復帰の可否判断および職場復帰支援プランの作成

第4ステップ  最終的な職場復帰の決定

第5ステップ  職場復帰後のフォローアップ

主担当医から復職可能の診断書が出ても、状況的には第2ステップであり、第3.4ステップは職域内で行われることが多くなるべくここでの判断にお力添えをしたいと考えております。もちろん復職後の緊張やストレスに対処できるよう第5ステップの主担当医の役割も非常に重要なものとなります。4つのセルフケアについてはもう少し細かく記載します

1 セルフケア  労働者本人のストレス対策、ストレス発散

2 ラインによるケア  管理監督者が行う職場などの改善と相談への対応

3事業場内産業保健スタッフ等によるケア 産業医などによる専門的ケア

4 事業外資源によるケア  事業外における専門機関によるケア

休職になるとはやく戻らないとと焦ってしまい、休職期間に目がいきがちになります。

患者様のコンディションと労働環境改善には患者様のイメージを主担当医、職域と共有することが非常に大事であることをご理解いただけたら幸いです。

中原こころのクリニック

四ノ宮 基

文献1 井上幸紀:産業現場に対し精神科主治医ができること、できないこと.精神雑誌,116(8) ;697-701,2014

文献2  厚生労働省:心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きーメンタルヘルス対策における職場復帰支援

文献3  厚生労働省:事業場における労働者の心の健康づくりのための指針

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12月、年末年始休診日のお知らせ

歳末ご多端の折、急かされる季節となりました

今年もわずかの営業日となりましたが、少しでも皆様のご心痛にお役立てできればとクリニックもラストスパートでご対応させていただきたいと考えております。令和3年12月22日(水曜日)、同月30日(木曜日)から令和4年1月3日(月曜日)までをお休みとさせていただきます。ご迷惑をお掛けいたしますがご理解のほどよろしくお願い申し上げます。            四ノ宮 拝

メディア関連・講演等

2021年10月1日

フジテレビ系列 Live News イット!

10月2日

フジテレビ系列 めざましどようび

「複雑性PTSD」診断の根拠と展望について電話出演による医療技術提供させていただきました

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うつ病からの復職者の再発再燃を防ぐために精神科医と産業医ができること 1.

うつ病には国際疾病分類(ICD)においても、アメリカ精神科医学会(以下、APA)においても診断基準があります。私は、治療上の鑑別のためにAPAが定めた診断基準DSMに準拠し、必要な書類においてICDに因るところが大きいです。診断基準満たしたところで、「病勢」が患者さまの現況においてなにが問題となっているのかを把握するためにアップデートされる診断基準を各疾患において頭の片隅の置きながらも依存し過ぎないよう心掛けています。具体的なお話では、日常的に会話の齟齬や不注意などの症状か、ADHDを疑って受診された患者さまは精神科医療において増えていると実感しています。製薬会社のときに不適切な広告や誤った情報を公布するキュレーションサイトの影響が大きくなっている

産業医とは、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を言います。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています1)

 産業医の職務は、労働安全衛生規則第14条第1項に規定されており、具体的には次の事項で、「医学に関する専門的知識を必要とするもの」と定められています。

・健康診断及び面接指導等(法第66条の8第1項に規定する面接指導及び法第66条の9に規定する必要な措置をいう)の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。

・作業環境の維持管理に関すること。

・作業の管理に関すること。

・前3号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。

・健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。

・衛生教育に関すること。

・労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

・また、産業医の職場巡視等について、労働安全衛生規則第15条第1項で次のとおり定められています。産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害なおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

厚生労働省によれば2008年のうつ病を含む気分障害の患者数は前12年に比較し12年間で2.4倍となり100万人に達しており現時点においても増加傾向にある2)

うつ病をはじめとする精神疾患は現役世代に起こることも多く、社会損失コストが生じる。原因未解明なことが多く、外来・入院治療を含めて、症状が長引くことも多い。よって医療費(直接費用)のほかに、休業などの損失(間接費用)が嵩み、うつ病では直接費用と比較し間接費用が14倍のコストがかかるといわれている3)

このような状況下において私たち医療者と社会に関わる市民ならびに産業医による包括的な役割と休職ならびに自分を取り戻すための復職については次回のホームページのなかで私見をシステマティックレビューを踏まえて書いていこうと思っています。

1) 日本医師会HP認定産業医 より抜粋

2)厚生労働省:平成20年(2008)患者調査の概況

3)学校法人慶應義塾:平成22年厚生労働省障がい者福祉総合推進事業補助金

「精神疾患の社会的コストの推計」事業実績報告書2011

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休診のお知らせ

令和3年8月20日(金)、21日(土)を夏季休暇とさせていただきます。8月24日より通常営業を再開します。ご迷惑をお掛けし申し訳ございませんが、ご理解のほどどうぞよろしくお願い致します。

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睡眠習慣と睡眠相交代症候群

暑い日々ですね。オリンピックもありついつい、生活習慣が不規則になりがちになってしまいがちです。私はスポーツ観戦が好きなのですが、欧米が中心となるスポールイベントでは睡眠習慣が乱れがちになります。また、長い休暇で夜更かしをして遅くまで寝ている習慣がつくと 、仕事を再開するとき朝なかなか目が覚めずつらく感じる 。これを我慢すると、通常は 2-3 日のうちに早くに寝つけるようになり、必要とされる時刻に起きられるようになるが、睡眠相交代症候群(以下DSPS)にはそれができない。概日リズム睡眠障害の代表的な一群で、患者は 1) 日中の行動や心理状態とかかわりなく朝方まで入眠できない、2)いったん入眠すると 的安定した睡眠が得られ、遅い時刻まで・起きられないが目覚めた時に不快感はない、 3 )長期間にわたり睡眠改善の努力をしてもうまくいかない、の 3つ の特徴がある 。努力して無理に起床しでも、午前中の間はぼんやりとした状態が続き、 1- 2日で元の夜更かし、朝寝坊の生活に戻ってしまう 。睡眠時間帯の遅れのために定刻に出勤 ・登校出来ず、社会生 活上の障害が出現する 。思春期から青年期に発症することが多く、夏休みなどの長い休暇中の昼夜逆転生活、受験勉強などが 発症の誘因となる 。臨床的にみて、最低体温出現時刻やメラトニン分泌リズムが健常者に 比べて遅れていることがわかってきた。この背景には、睡眠や概日リズムに関連したなんらかの迫伝的素因があることが最近わかってきている1)

睡眠リズムの改善にメラトニン製剤はよく使われてきました。ベンゾジアゼピン系睡眠薬からの置換による高齢の不眠症患者において、メラトニン置換療法は、睡眠潜時を有意に減少させ、および/または睡眠効率を向上させ、睡眠発症後の覚醒時間を減少させ、さらにメラトニン補充療法は慢性的な使用者においてベンゾジアゼピンの中止を促進した。これらのデータは、メラトニンのリズム障害と夜間の睡眠促進または維持の困難との関連を示している。特定のメラトニン製剤は、概日リズムに関連した睡眠障害および加齢に関連した不眠症の治療に有用である可能性が高い2)ただメラトニン製剤は入眠作用が強いお薬とはいえず臨床で使用し睡眠習慣がなかなか改善しないことも実情でありました。なにか、環境マネージメントに併行して対応できないかと思いあぐねていたところ新しい論文がありましたのでご紹介致します。

Low dose of aripiprazole advanced sleep rhythm and reduced nocturnal sleep time in the patients with delayed sleep phase syndrome: an open-labeled clinical observation

低用量のアリピプラゾールは、睡眠相後退症候群の患者の睡眠リズムを促進し、夜間の睡眠時間を短縮しました:オープンラベルの臨床観察

Objectives: Delayed sleep phase syndrome (DSPS) is a chronic dysfunction of circadian rhythm of the subject that impairs functioning in social, occupational, or other spheres. High rate of depression is found among DSPS patients. Aripiprazole (APZ), a second-generation antipsychotic, is effective in treatment of depression as well as schizophrenia. Recently, few case reports show the effectiveness of APZ in treating DSPS and non-24-hour sleep–wake rhythm disorder. Therefore, we tried to treat DSPS with depression using APZ.

目的:睡眠相後退症候群(DSPS)は、社会的、職業的、またはその他の分野での機能を損なう、被験者の概日リズムの慢性的な機能障害です。 DSPS患者の間で高いうつ病率が見られます。 第二世代の抗精神病薬であるアリピプラゾール(APZ)は、うつ病や統合失調症の治療に効果的です。 最近、DSPSおよび24時間睡眠覚醒以外のリズム障害の治療におけるAPZの有効性を示す症例報告はほとんどありません。 したがって、APZを使用してうつ病のDSPSを治療しようとしました。
Methods: Twelve subjects (including four women) aged 19–64 years were included. The subjects were prescribed initially 0.5–3 mg of APZ once a day with subsequent dose adjustments.

方法:19〜64歳の12人の被験者(4人の女性を含む)が含まれました。 被験者は最初に0.5〜3 mgのAPZを1日1回処方され、その後用量が調整されました。


Results: Sleep onset, midpoint of sleep, and sleep offset were significantly advanced by 1.1, 1.8, and 2.5 hours, respectively. Unexpectedly, sleep duration became significantly shorter by 1.3 hours after treatment. Their depressive moods showed an unremarkable change.

結果:睡眠開始、睡眠の中間点、および睡眠オフセットは、それぞれ1.1時間、1.8時間、および2.5時間大幅に進んだ。 予期せぬことに、睡眠時間は治療後1.3時間で大幅に短くなりました。 彼らの憂鬱な気分は目立たない変化を示しました。


Conclusion: Low dose of APZ advanced the sleep rhythm and reduced nocturnal sleep time in the subjects with DSPS. Since it is not easy for physicians to treat prolonged sleep duration often associated with DSPS, this medication would become a new therapeutic option for these patients

結論:低用量のAPZは、DSPSの被験者の睡眠リズムを促進し、夜間の睡眠時間を短縮しました。 医師がDSPSに関連することが多い睡眠時間の延長を治療することは容易ではないため、この薬はこれらの患者にとって新しい治療選択肢となるでしょう

アリピプラゾールは双極性感情障害・統合失調症に使用されるお薬ですので、主作用副作用を説明の上で当院では適応外処方にて希望される患者様に対応したいと考えております。またお薬以外での治療では入浴及び対内温度も睡眠への影響は大きくあります。人間の体は睡眠時に体温が低下し、眠りが深くなるほど深部体温(体の内部の体温)が下がっていきます。入眠前からだんだんと下がり始め、体が眠る準備を始めるのです。寒すぎても眠れませんが、体温が上がった状態では眠りに入りにくくなります。

お風呂に入るタイミングも入眠に関係しています。お風呂に入って体が温まると末梢血管の拡張によって手足の表面から発散させる熱が増え、体温が下がりやすくなります。一方で、熱いお湯につかると深部体温が高くなりすぎて入眠準備がしにくくなるので、入眠前はぬるめのお湯につかるのがいいとのことです3)湯冷めで風邪をひかないようにお気をつけてください

参考文献

1)大川|匡子 時間生物学 Vo1.l2,9-12 No.2 (2006)

2)Biological signals and receptors 1999 Jan-Apr Vol. 8 issue(1-2)

3) Y.Omori et al: Nweuropsychiatric Disease and Treatment 2018,12:1281-1286 18 May 2018

4 )睡眠と体温 テルモ体温研究所より抜粋

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