診療内容

外来診療

受診の15分前を目安にご来院ください。
また、保険証をご持参いただき、お薬手帳、診療情報提供書(紹介状)、自立支援医療手帳、医療券があればお持ちいただければと思います。

医療費の目安
(3割負担の方)

初診時:3,500円前後
再診時:1,500円前後

心理検査や血液検査により料金は変動致します。
お薬が処方された場合は、薬局でお薬代がかかります。
最終受診から3か月が経過しますと、
現状の再評価の為に初診料が掛かりますことをご理解くださいませ。

保険外負担に
関する費用

医療相談(家族・会社)…
30分まで5,500円

訪問診療

自立支援医療制度や介護保険を利用し、保険診療内での計画的な治療を立案し、支援していきます。現在、訪問診療において精神科治療の修練を積まれていない意思が多く診療を担当している状況にあります。調剤薬局様や患者様のご家族からのお問い合わせも多くあります。精神科に限らず、身体科の訪問診療についても、専門性に適した『専門医』が貴方様の大切なかかりつけ医となれますよう医療機関のホームページや各診療所にお電話にてご確認されますことをお勧め致します。訪問診療は計画性に基づいた医療であり、愛着がある家や地域での生活を支援するものでもあります。医療機関、行政、計画相談、訪問看護、居宅介護支援事業者が一体とならなければ良い医療にはなりません。当院でも訪問看護は行える体制にはありますが第三者の目線が医療の質を高めるものと考えておりますので訪問看護は状態像やご希望があれば事業所は相談しながら選定しています。また、当院における訪問診療は算定区分を外しているところもあり、費用負担を考慮もさせてもらってます。わたしは精神科医がきちんと精神疾患をみる世界になってほしいと心から思っています。以下は、個人情報について、配慮し一部修正を加えた、私の経験症例です。

症例1

76歳 男性(グループホーム入所中)

#老年期うつ病
#アルツハイマー型認知症

生活歴

A県に出生。父は林業・炭火焼きにて生計を立てる。同様7名第4子3男。発達生育に大過なく中学卒業後に上京し、B県のクリーニング店に3年間勤務した。その後、職場を変更しながらもX-2年までクリーニング業へ従事していた。35歳時に結婚し、2子をもうけた。45歳時に離婚するも2子を引き受け生活していた。

既往症

高血圧症、大腸癌

現病歴

X-2年まで2子と同居。X-2年11月25日に長女が肝硬変にて他界。
翌X-1年4月30日より不安・食思不振が出現し、睡眠障害を伴い、朝5時に窓を開けて大声を出すなど問題行動も出現した。当時は焦燥的であった(本人、長男談)。高血圧症の治療を受けていたC医院にて抗不安薬が処方されるも、症状に改善を認めず、同年6月30日にD病院を受診し同日入院となった。エチゾラム1.5mg、スルピリド150mg、デュロキセチン20mg、オランザピン5mg、フルニトラゼパム1mgにて薬物療法開始。うつ状態は改善するも、理解力に乏しく、翌7月に認知症の中核症状が出現しておりアルツハイマー型認知症の診断のもとドネペジル塩酸塩5mg開始となった。被害妄想に伴う精神病症状は一進一退であったが、徐々に静穏化し翌X年1月28日に退院し、グループホームEへ同日入所。
入所後は訪問神慮にてF医院が内科、Gクリニックにて引き続き薬物療法を継続となった。

訪問診療

X年2月2日、初回訪問。下肢頸骨部に浮腫みがあり訪問内科F医院へ報告。
挨拶や簡単な受け答え等、部分疎通は可能であるが認知機能低下が目立ち、長谷川式認知機能簡易評価スケールを施行し10点であった。せん妄は認めず、興奮している様子もない。入所から日も浅く、施設適応に向けた問題もはっきりとしない印象であった。同月16日に第2回目の訪問。食事が2-3割程度しか入らず欠食も目立つ。拒食ではなく食思不振であった。下肢の浮腫みは施設内のウォーキングにより改善。退院時処方されていた睡眠薬ブロチゾラム0.25mgを抗うつ薬ミルタザピン7.5mgに変更し、不眠時の頓服薬の指示を提出。翌3月2日、訪問時より食事量が半量まで改善。睡眠も確保されており、日中の睡眠酩酊も認めず。同月16日にミルタザピン15mgまで増薬し、食事はほぼ全量食べられるようになり、施設スタッフの配慮もあり笑顔となる機会も増え施設内プログラムや同年6月にはスタッフと同伴して近隣の商店まで買い物へ出かけられるようになった。以降も施設にて療養を継続している。

ポイント

  • 認知症の主科である精神科の訪問診療により進行性病変であるアルツハイマー型の状態像を評価し、訪問診療のなかで適宜調整することが可能となる
  • 食事がとれずに再入院の可能性もあったが、施設での継続が可能となった
  • 睡眠薬ブロチゾラムは認知機能低下の可能性があり、精神科の介入にてより安全性が高い治療に切り替えられた

症例2

95歳 女性(グループホーム入所中)

#アルツハイマー型認知症→#前頭側頭葉型認知症(臨床診断)

生活歴・現病歴

X-11年に現施設へ入所。内科訪問診療Aクリニックが当初より、アルツハイマー型認知症、慢性心不全、高血圧症の治療を行っていた。認知症は前医でアルツハイマー型認知症と診断され継続し、クエチアピンやチアプリドの薬物加療をされていた。X年に2月20日に落ち着きがなく、異食行動が目立つようになりBクリニックへと紹介され受診の運びとなった。内科の症状は落ち着いていた。

既往症

心不全、ペースメーカー植え込み術後(高血圧症、上行結腸癌術後、鉄欠乏性貧血)

訪問診療

X年2月20日、初回訪問。口唇傾向に基づく、異食については本人曰く「白くて、きらきら光るもの」と話し、硬貨やティッシュペーパーの異食行動が過去の問題エピソードであった。当初は3月6日よりアルツハイマー型認知症の周辺症状と評価をし、塩酸ドネペジルを10mgから漸減し、4月4日に中止した。衝動性のコントロールとして、前医より継続していたコントミン15mgに併せ、バルプロ酸200mgを追加し、400mgまで増薬も効果がなく中止した。同年5月16日に心理検査FABを施行し14点と軽度低下し前頭葉機能低下を伺わせ、同年7月7日にご家族と今後の治療方針について話し合い。前頭側頭葉型認知症の可能性を臨床診断から伝えたが、確定診断には脳血流評価を含めた画像検査が必要でありご高齢の本人には負担となる可能性を含め説明し、ご家族が希望された為、C大学病院神経内科へ診療情報提供書を作成。家族がその後、身体的負担を加味し検査目的のC病院受診を断念。気分の変容、盗食・異食といった脱抑制から臨床診断上、前頭側頭葉型認知症と診断変更をし、フルボキサミンマレイン酸75mgによる薬物療法を開始するも問題行動は改善せず。治療に専念する目的にて小医が勤務していたD病院へ同年9月21日入院となり、症状に改善傾向を認め翌X+1年5月2日に退院し、施設へ再入所となった。フルボキサミンマレイン酸は150mgまで増薬され脱抑制は改善し、現在も施設での生活を継続され、ご家族も定期的に施設に来訪され、有意義な時間を共有している。

ポイント

  • 最初に○○型認知症と診断されると、診断を疑い変更するのは難しい
  • 認知症は進行性病変であり、治療に長けた医師が望ましい
  • 精神科の入院先確保は困難であるが、主担当医が推薦し入院治療に移行可能となった

症例3

30歳 男性(在宅[母・祖母と同居])

#統合失調症
#自閉症スペクトラム障害

生活歴・現病歴

A市に出生。同胞無し。幼児・学童期に発達の遅れを指摘されたことはなし。尚、母は発達障害児の幼児教室を主宰している。 高校は本人の意向で通信性を選択し、卒業し、文系の大学へ進学も大学には気分が乗ったときにしか通学出来ずも7年かけて卒業した。卒業後は定職に就かず、単発のアルバイトをしていたが1週間と続くことはなかった。X-4年より社会的ひきこもり状態。母はA市若者サポートセンターへ月1回相談をし、X-1年6月にBメンタルクリニックへ母と同伴にて受診するも継続出来ずにX年12月10日Cクリニックを母が受診され訪問診療を家族相談された。

既往症

特記事項なし

訪問診療

X+1年1月17日、本人より「治療は不要であり、訪問診療はしないでほしい」との架電がある。その後母から再び電話があり、同月23日に初回の訪問診療。
母は母子関係について過保護であったと話すが、情緒的な関わりに逸脱した様子はない。遺伝負因なし。本人は自室に籠っており、ドア越しに声掛けするも怒声や拒絶はなく、時折放歌を認めた。夜中に突然大声を出すことや、対話性の幻聴、「殺される」等被害妄想が報告され統合失調症が疑われた。同年2月20日、母と面談中に自室より、階下へ降りるや否や「私たちは保全者なの」と前日にテレビで鑑賞した映画の被影響体験を表出。本人は月3万円を小遣いとしてもらい、「社会的ひきこもり」状態ではあるが、好んで近隣の散歩に興じていた。同年4月17日、過去の成績表を持ち出し「これで大丈夫 認められている」と話し、本人及び家族を説得し主作用・副作用について十分に説明をし、リスペリドン1mgを頓用として処方した。同年5月1日にリスペリドン2㎎/朝・夕へ変更。この頃より、母との疎通性が改善し始める。5月29日の訪問時より同席することが可能となり、本人から海辺に出掛けたいとの希望があり支持的に傾聴。7月24日には「母親には感謝している。将来は内定をもらったホテル業に就職したい」と会話に整合性が出てきている。家族にはこの間もA市D区ひきこもり家族会に参加して戴き疾病教育を重ねて頂き、同年9月17日にはD区青少年健康センターに母と本人が同伴で見学に行き、社会的関わりの重要性について理解できるようになった。その後、趣味の卓球をきっかけに定期的に青少年健康センターへ通所することが可能となった。

ポイント

  • 社会的引きこもり状態になり家族は孤立しやすく、状況は増悪しやすい
  • 本人と疎通が不十分でも手紙のやりとり等で徐々に面会が可能となり、診療が可能となった
  • 集団相互作用の必要性を理解し、社会参加の意欲を回復していった

訪問可能エリア

武蔵中原を中心に10km圏内でありますが、ご相談ください。

心理検査・カウンセリング

詳細な心理検査・カウンセリング等のご希望がありましたら、連携する近隣医療機関へのご紹介を行います。
四ノ宮医師が勤務しているハートフル川崎病院と医療連携をしております。必要な検査やカウンセリングについてはご相談ください。

アウトリーチサービス

アウトリーチサービスとは「さまざまな形で、必要な人に必要なサービスと情報を届けること」です。 精神に障害や病気をかかえながら生活している方々が、家庭や地域社会で安心・安全な生活を過ごせるよう、アウトリーチサービスを行います。

例えば、「働く」目標があって様々な福祉サービスから選択する中で、「どこが自分に向いているのだろうか?」と悩んでいるとき。あなたに最適な就労支援サービスへお繋ぎ致します。うつ病などにより休職と復職を繰り返しているとき。 生活リズムの改善やストレスのコントロール、治療だけではなく予防からリハビリテーション、社会参加までおひとりおひとりにあわせた、オーダーメイドのサポートをしていきます。

就労支援サービスとは?

就労移行支援:一般企業への就職することを希望する方を対象に就職するために必要なスキルを身につけることができる場所です。

就労継続支援A・B型:現時点で一般企業への就職に不安がある方を対象に、ご自身のスキルに合わせて働くことができる場所です。