生活習慣病における認知症との関連について

年齢を重ねるにつれ私たちは体重も増加しやすく、昨今の巣ごもり状態から生活習慣病になりやすい傾向にあります。限られた時間や動きたくても動けない環境及び精神状態からストレス解消目的で食事を多くとってしまうこともあることでしょう

糖尿病とは糖尿病とは、血糖値(血液中に含まれるブドウ糖)が慢性的に高くなる病気のことです。私たちは食事をすると血糖値が上がります。そして、血糖値の上昇が感知されると膵臓から“インスリン”と呼ばれるホルモンが分泌され、肝臓や筋肉ではブドウ糖を“グリコーゲン”と呼ばれるエネルギー源に換え、脂肪組織では“脂肪”として、蓄える仕組みが作動します。この仕組みが備わっているため、私たちの血糖値は飲食しても一定に保たれているのです。一方、糖尿病ではインスリンの分泌量が減少したり、インスリンのはたらきが弱くなったりするため、血糖値が高い状態が続くようになります。この状態が長期間に及ぶと全身の血管に障害が起こるようになり、重症化すると失明・腎不全・足の切断などQOL(生活の質)を大きく低減させるような合併症や心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こすことがあります。日本では1,000万人ほどが糖尿病に罹患していると推定されており、注意すべき病気とのことです1)

 脂質異常症とは、血液中の脂肪分(コレステロールや中性脂肪)が多すぎる、あるいは少なすぎる状態をいいます。従来は高脂血症と呼ばれていた病態も脂質異常症の一部に含まれます(高脂血症という用語は病態を正しく表していないとして、2007年に日本動脈硬化学会が診断名を「脂質異常症」に改訂しました)。

血液中の中性脂肪やLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が基準値よりも高すぎても、逆にHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)の値が低すぎても、動脈硬化を引き起こすリスク因子になります。このため、脂質異常症は、心筋梗塞しんきんこうそくや脳梗塞など、動脈硬化によって発症する可能性のある血管系の病気の引きがねnになると考えられています2)

どちらの疾患も血管の内皮細胞を傷つけて脆弱(脆く)させるまたは、血流不全を引き起こす全身疾患であり疾患の数値が迅速に命に関わるというよりは病気の状態が続くと重大な疾患にかかる可能性が高くなり、血液内の脂質や糖質のバランスを改善させることが内科的な予防医学におけるアプローチではないでしょうか。また高血圧も動脈硬化(血管の弾力性がなくなり)血流が悪くなって血管が損傷したり、通貨障害を引き起こします。

では、これらの生活習慣病は「認知症」とどの程度関わりを持つのでしょう

一緒に論文のサマリーを見てみましょう

Midlife lipid and glucose levels are associated with Alzheimer’s disease.

中高年期の生活習慣病(糖尿病と脂質異常症)における認知症発症との関連

INTRODUCTION : It is unknown whether vascular and metabolic diseases assessed in early adulthood are associated with Alzheimer’s disease (AD) later in life.

はじめに :早期成人期に評価された血管疾患および代謝疾患が、人生の後半でアルツハイマー病(AD)と関連しているかどうかは不明である

METHODS : Association of AD with lipid fractions, glucose, blood pressure, body mass index (BMI), and smoking obtained prospectively from 4932 Framingham Heart Study (FHS) participants across nine quadrennial examinations was evaluated using Cox proportional hazard and Kaplan-Meier models. Age-, sex-, and education-adjusted models were tested for each factor measured at each exam and within three adult age groups (early = 35-50, middle = 51-60, and late = 61-70)

方法:9つの4年ごとの検査にわたって4932人のフラミンガム心臓研究(FHS)参加者から前向きに得られた脂質画分、グルコース、血圧、ボディマス指数(BMI)、および喫煙とのADの関連を、Cox比例ハザードおよびKaplan-Meierモデルを用いて評価した。年齢、性別、および教育調整モデルは、各試験で測定された各因子について、および3つの成人年齢層(早期= 35〜50、中期= 51〜60、および後期= 61〜70)内で試験された

RESULTS : A 15 mg/dL increase in high density lipoprotein (HDL) cholesterol was associated with decreased AD risk during early (15.4%, P = 0.041) and middle (17.9%, P = 0.014) adulthood. A 15 mg/dL increase in glucose measured during middle adulthood was associated with 14.5% increased AD risk (P = 0.00029). These findings remained significant after adjusting for treatment.

結果 : 高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの15mg/dLの増加は,成人期の早期(15.4%,P = 0.041)および中期(17.9%,P = 0.014)のADリスクの低下と関連していた.中期成人期に測定されたグルコースの15mg/dL増加は、ADリスクの14.5%増加と関連していた(P = 0.00029)。これらの知見は、治療のために調整した後も有意なままであった。

DISCUSSION : Our findings suggest that careful management of cholesterol and glucose beginning in early adulthood can lower AD risk.

考察 我々の知見は、成人期初期からコレステロールとグルコースを注意深く管理することで、ADリスクを下げることができることを示唆している。ここで大事なことは高齢者のみに関わらず成人層であっても成人病が認知症発症リスクに影響があるとされたことです

病気も仕事も学校も家庭も、人間関係も予防・準備が大切ですよね

クリニックでは準備を行いたいが動けない方が以前と比較し生きやすいと思ってもらえるような医療提供を考えております

中原こころのクリニック

四ノ宮 拝

  1. 稲垣暢也;Medical Noteより抜粋
  2. 古屋大祐:Medical Noteより抜粋

2)Xiaoling Zhang et al; Alzheimer’s & dementia : the journal of the Alzheimer’s Association. 2022 Mar 23; doi: 10.1002/alz.12641

武蔵中原駅から徒歩1分の心療内科 “中原こころのクリニック”

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訪問診療/往診/JR南武線武蔵中原よりアクセス良好/当日予約受付/固定医師によるかかりつけ制/自立支援医療・生活保護認定機関/武蔵新城/武蔵小杉/日吉/新丸子/溝の口/溝ノ口/高津/川崎市/中原区/認知症/ひきこもり/うつ病/不眠症/発達障害/不登校/精神科/心療内科/精神科訪問診療/精神科専門医/認知症サポート医

抗うつ薬における増強療法(適応外処方におけるブレキシプラゾール)

自分の不調は人に相談しにくく抱えてしまうものではないでしょうか

ソーシャルメディアを利用し、ご自身の不調が抑うつ状態にあるのでないかと疑問を思い受診される患者さまはたくさんいらっしゃいます。チェックのようなものはWeb上に無数にあり国際疾病分類(ICD-10or11)やアメリカ精神医学会に準拠したものまた、自己解釈を加えたものなど無数にあります。私個人は診断基準を重要なものと考え、診断し治療の要不要を患者様と共有する医療を心がけております。2013年には「4大疾病」がん、脳卒中、糖尿病、心筋梗塞に加えて精神疾患(うつ病等)が加えられ「5大疾病」となっております。精神疾患は厚生労働省が対策に重点的に取り組む疾患になりました1)

世界精神保健日本調査セカンド、セカンドという表現は第2回目の調査であり、2013-2015 年度までに、関東地方、東日本、西日本、関東地方補充調査を行い、2450 人に 面接調査と自己記入式調査票による調査にて日本人の精神疾患有病率を検出した結果によります。DSM-IV-TR 精神障害12か月有病率は、大うつ病性障害(2.7%)、社交恐怖(1.0%)、アルコール乱用(1.0%が高かった。過去12か月間に精神障害を経験した者のうち19.3%が精神科医を、12.6%が一般医を受診し医師受診率は合計で 23.0%であった。2)

疫学調査は臨床医にとって診断の偏りを補正する要素もあり可能性が高い疾病から患者さまが不利益とならないよう検討するうえにおいて有益な情報であり、また疾病が併存していることも考慮しながら診断、治療にあたらなくてはならない。この調査によれば疾患を有するものの受診に医療機関至った方は4人に1人であり精神科に関しては8人に一人である。

そのため、専門外の内科の先生が何らかの抗不安薬や睡眠薬を処方されることは少なくない。ご高齢の方に依存性が高いお薬や認知機能低下を伴う副作用をもつものが漫然と処方されていることも多い。現状日本の医療は自由標榜性に基づいて医師の専門性が見えにくいこととなっている。患者様は外来通院治療ならびに特に治療がブラックボックスとなりやすい在宅医療に関しては医師が何科の専門医であり、他科の処方をされることについても確認をすることがいいのではないかと考えている。

5大疾病に入る精神疾患のうち1番有病率が高いうつ病(気分障害)

個人的には内因性の疾患ではあるものの外的要因によりうつ状態になる影響をうける側面もあり誰しもが生涯において経験してもおかしくない疾患ではないでしょうか。

診断はきちんとした診断基準のスケールに合わせて行いますが、その後の治療はうつ状態を悪化要因となりえる外的環境の改善や休養、薬物療法及び、心理療法があります。

日本におけるうつ病治療については日本うつ病学会のガイドラインが読みやすく、治療中の方も適切な医療を提供されているのか評価しやすいものであるのでご覧いただければ幸いです。

ガイドラインは治療方針の基本骨格ではございますが、患者様も現在はインターネット上で閲覧可能なものが多く、私たち医療者が最低限の正しい医療を提供できているかといった指針かつ、治療が奏功していない場合はガイドラインを超えた新しい知見に基づいて治療をご提案することが私たち医療者に求められており、この観点からも患者さまにおきましてはすべての診療科目にて専門性をご確認のうえで受診を検討いていただきたいと考えております。では、抗うつ薬がなかなか効果に乏しい患者さまにおける新しい論文を供覧しましょう。

Optimal dose of brexpiprazole for augmentation therapy of antidepressant-refractory depression: A systematic review and dose-effect meta-analysis

抗うつ薬抵抗性うつ病の増強療法のためのブレキシプラゾールの最適用量:系統的レビューと用量効果メタアナリシス4)

AIMS : To find the optimal dosage of brexpiprazole as augmentation of other antidepressants.

目的:他の抗うつ薬の増強療法としてのブレキシプラゾールの最適な投与量を見つけること

METHODS : We searched multiple electronic databases (from inception to September 16th, 2021) to identify double-blind, randomized placebo-controlled fixed-dose trials evaluating brexpiprazole augmentation therapy in adults (≥18 years old, both genders) with major depressive disorder not adequately responding to one or more antidepressant treatment. Our outcomes of interest at 8 weeks (range 4-12 weeks) were efficacy (treatment response defined as 50% or greater reduction in depression severity), tolerability (dropouts due to adverse effects) and acceptability (dropouts for any reason). We performed a random-effects, one-stage dose-effect meta-analysis with restricted cubic splines

方法:複数の電子データベース(開始から2021年9月16日まで)を検索して、大うつ病性障害のない成人(18歳以上、両性)におけるブレキシプラゾール増強療法を評価する二重盲検ランダム化プラセボ対照固定用量試験を特定した。 1つまたは複数の抗うつ薬治療に適切に反応する。 8週間(4〜12週間の範囲)での関心のある結果は、有効性(うつ病の重症度の50%以上の減少として定義される治療反応)、忍容性(副作用による脱落)および受容性(何らかの理由による脱落)であった。制限された3次スプラインを使用して、ランダム効果、1段階の用量効果メタアナリシスを実行した

RESULTS : Six studies met the inclusion criteria, including 1671 participants in total. The dose-efficacy curve showed an increase up to doses around 2 mg (odds ratio [OR] 1.52, 95% confidence interval [CI] 1.12-2.06) and then a decreasing trend through the higher licensed dose up to 3 mg (OR 1.40, 95% CI 0.95-2.08). The shape of the dose-tolerability curve was comparable to that of the efficacy and the dose-acceptability curve showed a monotonic increasing trend but both had wide confidence bands

結果:合計1671人の参加者を含む、6つの研究が選択基準を満たしました。用量有効性曲線は、約2 mgの用量まで増加し(オッズ比[OR] 1.52、95%信頼区間[CI] 1.12-2.06)、その後、3 mgまでのより高い認可用量(OR 1.40)を通じて減少傾向を示しました。95%CI 0.95-2.08)。用量許容曲線の形状は有効性の形状に匹敵し、用量許容曲線は単調な増加傾向を示しましたが、両方とも広い信頼帯を持っていた

CONCLUSIONS : One to two milligrams of brexpiprazole as augmentation treatment may achieve an optimal balance between efficacy, tolerability, and acceptability in the acute treatment of antidepressant-refractory depression. However, the small number of included studies limit the reliability of the results. Further research is required to validate the findings

結論:増強治療としての1〜2ミリグラムのブレキシプラゾールは、抗うつ薬抵抗性うつ病の急性期治療における有効性、忍容性、および受容性の間の最適なバランスを達成する可能性があります。ただし、含まれる研究の数が少ないため、結果の信頼性が制限されます。

調査結果を検証するには、さらなる調査が必要ではあるものの適応外処方であるブレキシプラゾールが難治性のうつ病の治療に対する増強療法として一定の評価を得たと考えてもいいものでしょう。PCNは日本の学術雑誌でありますが、2022年度は高いIFを獲得し世界的評価も高まっている学術誌でもあります。優秀な研究者のおかげで臨床は成り立っているので、感謝の思いしかありません。

  1.  1)厚生労働省;地域医療の基本方針となる医療計画 2012
  2.  2)川上憲人ら;Ⅱ有病率及び受診行動,世界精神保健日本調査セカンド, 精神疾患の有病   率等に関する大規模疫学調査研究,WMHJ2、2013-2016
  3.  3)日本うつ病学会;「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ 大うつ病性障害」7.24.2019
  4.  4)Yuki Furukawa et al; Optimal dose of brexpiprazole for augmentation therapy of antidepressant-refractory depression: A systematic review and dose-effect meta-analysis. Psychiatry and clinical neurosciences. 2022 Jun 18; doi: 10.1111/pcn.13438.

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夏季休診日のお知らせ

残夏の候、暑さが残る時期ですが体調など崩しやすい季節となりました

当院では電子カルテのサーバー保守及びお盆のお休みを今年度は8月12日(土曜日)、15日(火曜日)をいただき両日は休診日とさせていただきます。ご迷惑・不自由をお掛けいたしますがご理解のほど宜しくお願い致します。

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母子支援施設 支援者会議

母子寮をご存知ですか?法務、経済、医療的事由に基づく困難な環境にて母子の生活と命を守るための集合住宅です。日々の生活を脅かさられる人を短期で擁護する『シェルター』とは異なり、中期的に生活する環境のもと社会的自立を目指す大きな『家』です。


精神科医となり虐待児の擁護に関わってきました。主担当医や通報者であっても母子や児童の行方は分かりません。情報は徹底に統制され医療者として不完全燃焼なままに終わり、より良い支援はなかったのか常に疑問に感じておりました。あの子は今元気なのだろうか?という世界なのです


母子支援支援、通称『母子寮』から診察の依頼を受け、治療を続けてきましたが、症状に対応する私自身の非力さのみを実感する恥ずかしい限りでした。私が治療に関わっても母子寮から外の世界に出ていけるとは到底思えなかったのですそして母子寮に継続して滞在することは出来ませんたくさんの問題を解決するには時間が足りません実務的に未来がある母子の為にできることはないかと考えて、細い糸の支援を結んでロープのような切れない綱に変えたい。地域医療、就労、教育に関わる支援者にお声掛けさせていただき支援者会議を開催しました。参加者は開業して知り合った汗をかいて仕事をされていらっしゃる方々です


•ハートフル川崎病院

•河合クリニック

・中原こころのクリニック

•訪問看護ステーションデライト

•訪問看護ステーションあいず

•NPO法人若者就労支援ブリュッケ

•就労移行支援ウェルビー溝の口センター(敬称略 順不同)


施設長から施設の担う社会的役割、過不足点を登壇して説明していただきそれぞれの事業所がセグメントで支援出来そうなことを話し合う熱く温かい会議となりました。この日はGWの狭間の5月2日であり参加希望がある行政の上流、下流担当者や公的病院連携室は不在となりましたが参加希望者が多く当院で行う予定でしたが、急遽会議室を借りて議論を重ねました。競業である河合クリニック様や訪問看護ステーション同士の顔を合わせたのは患者様に医療や福祉・教育のサービスを選ぶところからご自身の意思がのる人生の支援をしたいとの思いからです。町医者が出過ぎた真似をと思われるかもしれませんが、町医者だから地域特性に合わせた多職種連携の重要性を実感しています
連休中のなかご参加いただいた皆様、ご多忙でありお時間を頂き、心より感謝致します。ありがとうございました

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GW期間中における休診日のお知らせ

当院における休診日は例年通り旗日通りとなります

5/3(水曜)・5/4(木曜)~5/5(金曜)までが休診日です

ご迷惑をお掛けしますがご理解のほどよろしくお願い致します

中原こころのクリニック

四ノ宮 拝

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基礎疾患罹患における認知症との関連について

年齢を重ねるにつれ私たちは体重も増加しやすく、昨今の巣ごもり状態から生活習慣病になりやすい傾向にあります。限られた時間や動きたくても動けない環境及び精神状態からストレス解消目的で食事を多くとってしまうこともあることでしょう

糖尿病とは糖尿病とは、血糖値(血液中に含まれるブドウ糖)が慢性的に高くなる病気のことです。私たちは食事をすると血糖値が上がります。そして、血糖値の上昇が感知されると膵臓から“インスリン”と呼ばれるホルモンが分泌され、肝臓や筋肉ではブドウ糖を“グリコーゲン”と呼ばれるエネルギー源に換え、脂肪組織では“脂肪”として、蓄える仕組みが作動します。この仕組みが備わっているため、私たちの血糖値は飲食しても一定に保たれているのです。一方、糖尿病ではインスリンの分泌量が減少したり、インスリンのはたらきが弱くなったりするため、血糖値が高い状態が続くようになります。この状態が長期間に及ぶと全身の血管に障害が起こるようになり、重症化すると失明・腎不全・足の切断などQOL(生活の質)を大きく低減させるような合併症や心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こすことがあります。日本では1,000万人ほどが糖尿病に罹患していると推定されており、注意すべき病気とのことです1)

 脂質異常症とは、血液中の脂肪分(コレステロールや中性脂肪)が多すぎる、あるいは少なすぎる状態をいいます。従来は高脂血症と呼ばれていた病態も脂質異常症の一部に含まれます(高脂血症という用語は病態を正しく表していないとして、2007年に日本動脈硬化学会が診断名を「脂質異常症」に改訂しました)。

血液中の中性脂肪やLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が基準値よりも高すぎても、逆にHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)の値が低すぎても、動脈硬化を引き起こすリスク因子になります。このため、脂質異常症は、心筋梗塞しんきんこうそくや脳梗塞など、動脈硬化によって発症する可能性のある血管系の病気の引きがねnになると考えられています2)

どちらの疾患も血管の内皮細胞を傷つけて脆弱(脆く)させるまたは、血流不全を引き起こす全身疾患であり疾患の数値が迅速に命に関わるというよりは病気の状態が続くと重大な疾患にかかる可能性が高くなり、血液内の脂質や糖質のバランスを改善させることが内科的な予防医学におけるアプローチではないでしょうか。また高血圧も動脈硬化(血管の弾力性がなくなり)血流が悪くなって血管が損傷したり、通貨障害を引き起こします。

では、これらの生活習慣病は「認知症」とどの程度関わりを持つのでしょう

一緒に論文のサマリーを見てみましょう

Midlife lipid and glucose levels are associated with Alzheimer’s disease3 ).

中高年期の生活習慣病(糖尿病と脂質異常症)における認知症発症との関連

INTRODUCTION : It is unknown whether vascular and metabolic diseases assessed in early adulthood are associated with Alzheimer’s disease (AD) later in life.

はじめに :早期成人期に評価された血管疾患および代謝疾患が、人生の後半でアルツハイマー病(AD)と関連しているかどうかは不明である

METHODS : Association of AD with lipid fractions, glucose, blood pressure, body mass index (BMI), and smoking obtained prospectively from 4932 Framingham Heart Study (FHS) participants across nine quadrennial examinations was evaluated using Cox proportional hazard and Kaplan-Meier models. Age-, sex-, and education-adjusted models were tested for each factor measured at each exam and within three adult age groups (early = 35-50, middle = 51-60, and late = 61-70)

方法:9つの4年ごとの検査にわたって4932人のフラミンガム心臓研究(FHS)参加者から前向きに得られた脂質画分、グルコース、血圧、ボディマス指数(BMI)、および喫煙とのADの関連を、Cox比例ハザードおよびKaplan-Meierモデルを用いて評価した。年齢、性別、および教育調整モデルは、各試験で測定された各因子について、および3つの成人年齢層(早期= 35〜50、中期= 51〜60、および後期= 61〜70)内で試験された

RESULTS : A 15 mg/dL increase in high density lipoprotein (HDL) cholesterol was associated with decreased AD risk during early (15.4%, P = 0.041) and middle (17.9%, P = 0.014) adulthood. A 15 mg/dL increase in glucose measured during middle adulthood was associated with 14.5% increased AD risk (P = 0.00029). These findings remained significant after adjusting for treatment.

結果 : 高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの15mg/dLの増加は,成人期の早期(15.4%,P = 0.041)および中期(17.9%,P = 0.014)のADリスクの低下と関連していた.中期成人期に測定されたグルコースの15mg/dL増加は、ADリスクの14.5%増加と関連していた(P = 0.00029)。これらの知見は、治療のために調整した後も有意なままであった。

DISCUSSION : Our findings suggest that careful management of cholesterol and glucose beginning in early adulthood can lower AD risk.

考察 我々の知見は、成人期初期からコレステロールとグルコースを注意深く管理することで、ADリスクを下げることができることを示唆している。ここで大事なことは高齢者のみに関わらず成人層であっても成人病が認知症発症リスクに影響があるとされたことです

病気も仕事も学校も家庭も、人間関係も予防・準備が大切ですよねクリニックでは準備を行いたいが動けない方が以前と比較し生きやすいと思ってもらえるような医療提供を考えております

  1. 稲垣暢也;Medical Noteより抜粋
  2. 古屋大祐:Medical Noteより抜粋
  3. Xiaoling Zhang et al; Alzheimer’s & dementia : the journal of the Alzheimer’s Association. 2022 Mar 23; doi: 10.1002/alz.12641

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「ヘルプマークを広めよう!ぬりえワークショップ参加」報告

2月5日、横浜市7artscafeにてNPO法人PSSピュアスマイルスタジオ(がん患者と家族の人権を擁護する団体)の下澤代表からお招きを受けて、「がんと就労」についてお話をさせていただきました。当日はスライドの不手際があり(失礼いたしました)。癌治療における、精神科医師のリエゾンとしての役割。癌拠点病院と外病院での連携や治療構造、ならびにがん治療に伴う二次性障害についてお話させていただきました

日曜日でしたので、家族で参加し、社労士や行政書士、就労移行支援事業所管理者支援者と当事者が集まり私のセクションは医療と福祉の橋渡しではありますが、社会的法制度の活用など孤立化しやすい患者様には心強い援助者が世の中にはたくさんいると思っていただけるような温かい雰囲気に包まれた会でした。

私個人としては昨年の講義はクリニックの運営のためにひとつもお応えできない状態にありましたが、こうしたボランティアワークスを行っていくことは自分自身の心の弾力性を維持する大切な場でありますので、時間をみながら勉強会などへの参加や引きこもり支援など依頼にお応えできるくらいの仕事の準備と精度を高めていきたいと改めて思った次第です。貴重な場をありがとうございました

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日本と世界の疾患別 死因統計の検討

私たちが思い浮かぶ怖い病気といえば「悪性腫瘍(癌)」「心疾患(心筋梗塞・不安定狭心症等)」「脳血管疾患(脳梗塞・脳出血等)」を怖い病気=死に直結する病気と考えますよね

私は自分の両親が好きであり、父親が食道憩室を持病で持っておりました。憩室とは消化管の一部が内側にせり出たものがポリープ、外側にせり出たものが憩室

良性な腫瘍ともいえます。大腸の場合は10㎜を超える良性な腫瘍は癌化する可能性もあるために大腸カメラで事前に摘出し癌を予防できる時代となりました。

父親が近くに太い血管が走っており憩室の摘出が難しく何かを機会に敗れたら即死すると幼稚園児の時に言われ絶望的となった覚えがあります。それから35年経ちますが父は皮膚科の医師として毎日100人の患者様を診させていただいています。心配した35年はあっという間に過ぎました。では私たちはいったいどんな病気で命が危機にさらされるのでしょう。

【日本人の死因(2019年)】1)

1位 悪性新生物(腫瘍) 27.3%

2位 心疾患(高血圧性を除く) 15.0%

3位 老衰 8.8%

4位 脳血管疾患 7.7%

5位 肺炎 6.9%

6位 誤嚥性肺炎 2.9%

7位 不慮の事故 2.9%

8位 腎不全 1.9%

9位 血管性及び詳細不明の認知症 1.5%

10位 アルツハイマー病 1.5%

「老衰」の定義は確固たるものがありません

加齢性の病変や衰えと死は本来別に考えるものでもあるでしょう

そのため死亡診断書を作成する際には「老衰状態」でお亡くなりになった患者様は乏尿(1日の尿量が400mL以下。ちなみに無尿は1日の尿量が100mL以下であり全くでないわけではありません)や心機能が低下しているため多臓器不全と記載させていただくことがあります。生きた証として適切な病名をつけることも最期まで生き抜いたご本人さまに向けた尊厳の尊重として医師の大切な仕事ではないでしょうか。

【世界の死因(2019年)】2)

1位 虚血性心疾患

2位 脳卒中

3位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

4位 下気道感染症

5位 新生児固有の状態

6位 気管・気管支・肺癌

7位 アルツハイマー病を含む認知症

8位 下痢性疾患

9位 糖尿病

10位 腎臓病

世界の死因では劣悪な環境における若年層における下痢や下気道感染症(主たるものは肺炎)日本にはほとんどの方が助かる疾患で乳児や幼児がなくなる一方でこのような後進国を含めたパラメータにも関わらず認知症を死因とする順位が日本より高いことになります。

日本に認知症は病棟での治療経験がある医師がみるべきでしょう。認知症の種別や合併疾患や基礎疾患との関連性を考慮すると治療の見極めは非常に難しい疾患でもあります。総合病院においては病棟で他科から依頼を受け治療を行うリエゾンもしくは主担当医としてみる精神科・神経内科・脳外科医がみる疾患でしょう。一方で訪問診療をすると施設では内科の先生が担当している場合が多くで処方薬についても、環境調整も病棟での治療経験がないため難しい現状があります。非常勤勤務をしているハートフル川崎病院には誤った治療の挙句入院に至るケースも多く、現代の放置されている社会的な問題と捉えてもいいのではないでしょうか私の指導医の言葉で「餅は餅屋」という言葉ありました。内科の知識があっても分かったうえでコンサルトをかけようと指導されました。一方で認知症の治療は治療経験がない先生が薬のみ処方し、医療における地域包括ケアシステムの理解が乏しい状況にあります。医療と福祉が伴わなければ治療は奏功しません。もしご覧の方が、在宅医療を受けられるのであれば、外来を選ぶときと同じように主担当医がどの専門医であるのか確認したうえで相談しながら治療を受けられることをお勧めします。このような状況を踏まえて当院では認知症の予防と治療を12年の経験と最新の論文をもとにした知見と社会的環境整備から尽力していきます

認知症を予防したいという方もどうぞお気軽にお声掛けください.世界的には死因に数えられる怖い疾患でありますが、一方で適切な治療のもと進行の予防できる病気になりつつあります

1)厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」(令和元年2019)

2)世界保健機構 2020死因統計より抜粋

「失われた自分らしさ」を取り戻し、心身ともに健康な姿をめざしませんか?

訪問診療/往診/JR南武線武蔵中原よりアクセス良好/当日予約受付/固定医師によるかかりつけ制/自立支援医療・生活保護認定機関/武蔵新城/武蔵小杉/日吉/新丸子/溝の口/溝ノ口/高津/川崎市/中原区/認知症/ひきこもり/うつ病/不眠症/発達障害/不登校/精神科/心療内科/精神科訪問診療/精神科専門医/認知症サポート医

臨時休暇のお知らせ

2023年1月20日(金曜日)は四ノ宮が精神保健指定医更新の講習会参加の為、クリニックは終日お休みとなります。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程どうぞよろしくお願い申し上げます。

武蔵中原駅から徒歩1分の心療内科 “中原こころのクリニック”

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冬季休暇のお知らせ

今年の師走は一段と冷え込むようです。

皆さまにとっての1年はいかがでしたでしょうか

近年は日本海気候と太平洋側での気候が随分と異なり、異常気象が毎年のように各地で発生し被災者の方もいらっしゃいます。遷延するコロナ禍ともそろそろ私たちの自分の時間や居場所を取り返す1年となりますようお祈り申し上げます

当院の年末年始のお休みをいただく期間としましては令和4年12月30日(金曜)から翌5年1月3日(火曜)までとなります。ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。この間、クリニックで私個人が作業する時間は電話を開けますが不定期になってしまうことをご容赦ください。また、この間に個人として毎年、年末年始に1日川崎市中精神科救急事業にてお仕事をさせていただいていいます。

地域で生きる医療機関としての役割を少しでもクリニックや基幹病院ハートフル川崎病院での勤務や医師会のお仕事を通してお役に立てれば幸いです

中原こころのクリニック院長   四ノ宮 基

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