うつ病からの復職者の再発再燃を防ぐために精神科医と産業医ができること 1.

うつ病には国際疾病分類(ICD)においても、アメリカ精神科医学会(以下、APA)においても診断基準があります。私は、治療上の鑑別のためにAPAが定めた診断基準DSMに準拠し、必要な書類においてICDに因るところが大きいです。診断基準満たしたところで、「病勢」が患者さまの現況においてなにが問題となっているのかを把握するためにアップデートされる診断基準を各疾患において頭の片隅の置きながらも依存し過ぎないよう心掛けています。具体的なお話では、日常的に会話の齟齬や不注意などの症状か、ADHDを疑って受診された患者さまは精神科医療において増えていると実感しています。製薬会社のときに不適切な広告や誤った情報を公布するキュレーションサイトの影響が大きくなっている

産業医とは、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を言います。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています1)

 産業医の職務は、労働安全衛生規則第14条第1項に規定されており、具体的には次の事項で、「医学に関する専門的知識を必要とするもの」と定められています。

・健康診断及び面接指導等(法第66条の8第1項に規定する面接指導及び法第66条の9に規定する必要な措置をいう)の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。

・作業環境の維持管理に関すること。

・作業の管理に関すること。

・前3号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。

・健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。

・衛生教育に関すること。

・労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

・また、産業医の職場巡視等について、労働安全衛生規則第15条第1項で次のとおり定められています。産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害なおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

厚生労働省によれば2008年のうつ病を含む気分障害の患者数は前12年に比較し12年間で2.4倍となり100万人に達しており現時点においても増加傾向にある2)

うつ病をはじめとする精神疾患は現役世代に起こることも多く、社会損失コストが生じる。原因未解明なことが多く、外来・入院治療を含めて、症状が長引くことも多い。よって医療費(直接費用)のほかに、休業などの損失(間接費用)が嵩み、うつ病では直接費用と比較し間接費用が14倍のコストがかかるといわれている3)

このような状況下において私たち医療者と社会に関わる市民ならびに産業医による包括的な役割と休職ならびに自分を取り戻すための復職については次回のホームページのなかで私見をシステマティックレビューを踏まえて書いていこうと思っています。

1) 日本医師会HP認定産業医 より抜粋

2)厚生労働省:平成20年(2008)患者調査の概況

3)学校法人慶應義塾:平成22年厚生労働省障がい者福祉総合推進事業補助金

「精神疾患の社会的コストの推計」事業実績報告書2011

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