気分の波  理解と対処法

気分の波:感情のジェットコースターを理解するために

私たちは日々、様々な感情を経験しながら生きています。喜び、悲しみ、怒り、安心、不安…これらの感情は、まるで波のように押し寄せたり引いたりしながら、私たちの心の風景を彩っています。しかし、この感情の波が時に激しく、予測不可能に変動することがあります。それが「気分の波」と呼ばれる状態です。

気分の波は、誰にでも起こりうる自然な感情の揺れ動きから、日常生活に支障をきたすほど激しいものまで、その振れ幅や頻度は様々です。この記事では、気分の波とは何か、その背景にある可能性、そしてどのように向き合っていけば良いのかについて、深く掘り下げていきたいと思います。

気分の波とは何か?

気分の波とは、ある時点での感情の状態が、比較的短い時間で大きく変化することを指します。例えば、数時間前までは非常に明るく活動的だった人が、急に憂鬱になり、何もする気が起きなくなるといった具合です。この変化は、外部の出来事によって引き起こされることもあれば、特に明確な理由がない場合もあります。

重要なのは、単なる一時的な感情の変化と、持続的かつ極端な気分の変動を区別することです。誰でも嫌なことがあれば気分が落ち込みますが、気分の波が大きい場合は、その落ち込みの深さや持続時間、そしてその後の高揚感などが、通常の範囲を超えている可能性があります。

日常的な感情の揺れ動きと気分の波の違い

私たちの感情は、一日のうちでも、あるいは数日の間で、ある程度変化するものです。楽しい出来事があれば心が弾み、悲しい出来事があれば落ち込むのは自然な反応です。これは、私たちの心身が外界の刺激に適応しようとする働きによるものです。

一方、気分の波が大きいと感じる場合、以下のような特徴が見られることがあります。

急激な変化: 感情が、まるでスイッチが切り替わるかのように、突然変化する。

極端な振れ幅: 喜びから悲しみへ、あるいは活動的な状態から無気力な状態へといった、感情の落差が大きい。

予測の難しさ: 気分の変化が、本人にとっても予測しにくい。

持続性: 一つの感情状態が、通常よりも長く続くことがある。

日常生活への影響: 気分の変動が、仕事、学業、人間関係など、日常生活に支障をきたす。

もし、これらの特徴に当てはまることが多いと感じるなら、それは単なる感情の揺れ動きではなく、より注意が必要な気分の波である可能性があります。

気分の波を引き起こす可能性のある要因

気分の波の背後には、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

生物学的な要因

ホルモンバランス: 特に女性の場合、月経周期に伴うホルモンバランスの変化が、気分の変動を引き起こすことがあります。また、甲状腺ホルモンの異常なども、気分の変化に関与することが知られています。

神経伝達物質: 脳内の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、ヒスタミンやアルギニンなど)のバランスの乱れが、気分の調節に影響を与える可能性があります。

遺伝的要因: 気分の波を起こしやすい体質が、遺伝的に受け継がれる可能性も指摘されています。

心理的な要因

ストレス: 短期的であり強いストレスや慢性的なストレスは、感情のコントロールを難しくし、気分の波を引き起こすことがあります。

トラウマ: 過去のトラウマ体験が、感情の不安定さにつながることがあります。

思考パターン: ネガティブな思考や極端な思考は、気分の落ち込みや不安定さを増幅させる可能性があります。

自己肯定感の低さ: 自分自身に対する否定的な感情は、気分の波を助長することがあります。

環境的な要因

生活習慣: 不規則な睡眠、偏った食事、運動不足などは、心身のバランスを崩し、気分の不安定さにつながることがあります。

人間関係: 孤立感や対人関係のトラブルは、精神的な負担となり、気分の波を引き起こすことがあります。

季節: 季節性感情障害(冬季うつ病など)のように、季節の変化が気分の変動に影響を与えることもあります。

気分の波が顕著に見られる可能性のある状態

気分の波は、様々な精神的な状態や疾患において、その症状の一つとして現れることがあります。

双極性感情障害: 躁状態と抑うつ状態を繰り返すことを特徴とする疾患です。躁状態では、気分が高揚し、活動的になり、自信過剰になるなどの症状が見られます。一方、抑うつ状態では、気分が落ち込み、意欲がなくなり、悲観的になるなどの症状が現れます。これらの極端な気分の波が、日常生活に大きな影響を与えます。

境界性パーソナリティ障害: 感情、対人関係、自己イメージ、衝動性などが不安定であることを特徴とするパーソナリティ障害です。激しい気分の変動、他者との関係性の不安定さ、自己否定感などが現れやすいとされています。

月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD): 月経前に、気分の落ち込み、イライラ、不安などの精神的な症状や、身体的な症状が現れる状態です。PMDDは、PMSよりも精神的な症状が重く、日常生活に支障をきたすことがあります。

注意欠陥・多動性障害(ADHD): 情動の調節の困難さから、気分の波が見られることがあります。衝動的な行動や感情の爆発などが起こりやすい場合があります。

これらの状態は、専門的な診断と治療が必要となる場合があります。もし、ご自身の気分の波が日常生活に大きな影響を与えていると感じる場合は、医療機関への相談を検討することが大切です。

気分の波と上手く付き合うために

気分の波と上手く付き合い、より安定した心の状態を保つためには、いくつかの方法が考えられます。

自己理解を深める

感情の記録: 自分の感情がいつ、どのように変化するのかを記録してみることで、パターンが見えてくることがあります。トリガーとなる出来事や状況を把握する手がかりになるかもしれません。

自己分析: 自分の考え方や行動の傾向を振り返り、気分の波に影響を与えている可能性のある要因を探ってみましょう。

ストレス管理

リラクセーション: 深呼吸、瞑想、ヨガなど、心身をリラックスさせる習慣を取り入れることは、感情の波を穏やかにする助けになります。

適度な運動: 運動は、ストレス解消や気分の改善に効果的です。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない範囲で体を動かしてみましょう。

十分な睡眠: 質の高い睡眠は、心身の安定に不可欠です。規則正しい睡眠時間を確保するように心がけましょう。

健康的な生活習慣

バランスの取れた食事: 栄養バランスの偏った食事は、気分の不安定さにつながることがあります。様々な食品をバランス良く摂取するように心がけましょう。

カフェイン・アルコールの摂取を控える: これらの物質は、気分の変動を助長する可能性があります。摂取量やタイミングに注意しましょう。

周囲のサポート

信頼できる人に相談する: 家族や友人など、信頼できる人に自分の気持ちを話すことで、気持ちが楽になることがあります。

自助サポートグループ: 同じような悩みを抱える人たちと交流することで、共感や安心感を得られることがあります。

中原こころのクリニックのような専門家のサポートが必要な場合

もし、気分の波が激しく、日常生活に支障をきたしていると感じる場合は、一人で悩まずに専門家のサポートを求めることが大切です。精神科医や心療内科医は、あなたの状態を詳しく評価し、適切なアドバイスや治療を提供してくれます。

「こんなことで相談しても良いのだろうか?」とためらうこともあるかもしれませんが、心の健康も身体の健康と同じように大切です。少しでも気になることがあれば、遠慮せずに専門機関に相談してみてください。

まとめ

気分の波は、私たち誰もが経験する可能性のあるものですが、その振れ幅や頻度によっては、日常生活に影響を与えることがあります。その背景には、生物学的、心理的、環境的な様々な要因が考えられます。

大切なのは、自分の感情の変化に気づき、理解しようとすること。そして、必要であれば、適切な対処法を実践したり、専門家のサポートを求めることです。

感情のジェットコースターに乗りこなすように、気分の波と上手く付き合い、より穏やかで安定した日々を送れるように、私たち一人ひとりが心の健康に向き合っていくことが大切なのかもしれません。溝の口や武蔵小杉からも近い中原こころのクリニックでは皆様に普段からある感情の波に問題が生じている際に向き合って参ります

ADHDにおける精神賦活薬における効果判定

発達障害においては認知症における周辺症状のような二次性の障害が生じやすいです

抑うつ気分、睡眠障害、気分変調からときに精神病性特徴を伴うものもあります

二次性の障害が生活史のなかで前景となり生きにくさを感じている場合には二次性障害や周辺環境の調整から治療を開始場合もあります。現状にて精神賦活薬はコンサータが上市されておりますが私は使用を見送る薬剤です。臨床経験から開始したもののやめられなくなる、コンサータを求めて医療機関を渡り歩く人が多いからです。一方で新しい賦活薬は現在シンギュレイトという創薬ベンチャー第4相の承認待ちでありADHD悪い意味においても抗ADHD治療薬が注目を集めています。本日は中枢刺激薬に関する論文です

Emotional dysregulation and stimulant medication in adult ADHD1

成人のADHDにおける感情的調整障害と刺激薬

Background

背景

Emotional dysregulation affects up to two-thirds of adult patients with attention-deficit/hyperactivity disorder (ADHD) and is increasingly seen as a core ADHD symptom that is clinically associated with greater functional impairment and psychiatric comorbidity. We sought to investigate emotional dysregulation in ADHD and explored its neural underpinnings.

感情的な障害は、注意欠陥多動性障害(ADHD)を持つ成人患者の最大3分の2に影響を及ぼし、臨床的にはより大きな機能的障害や精神的併存症と関連しているADHDのコア症状と見なされるようになっています。私たちはADHDにおける感情的な障害を調査し、その神経的基盤を探求しました。

Method:

方法

We studied emotion induction and regulation in a clinical cohort of adult patients with ADHD before and after a stimulant challenge. We compared patients with age- and gender-matched healthy controls using behavioural, structural, and functional measures. We hypothesized that patients would demonstrate aberrant emotion processing compared with healthy controls, and sought to find whether this could be normalized by stimulant medication.

私たちは、ADHDを持つ成人患者の臨床群において、刺激剤治療の前後で感情誘発と調整を研究しました。行動的、構造的、機能的な指標を使用して、年齢および性別が一致した健康な対照群と患者を比較しました。私たちは、患者が健康な対照群と比較して異常な感情処理を示すと仮定し、刺激剤治療によってこれが正常化できるかどうかを調べようとしました。

Results

結果

Behaviourally, the ADHD group showed reduced emotion induction and regulation capacity. Brain imaging revealed abberant activation and deactivation patterns during emotion regulation, lower grey-matter volume in limbic and paralimbic areas, and greater grey-matter volume in visual and cerebellar areas, compared with healthy controls. The behavioural and functional deficits seen in emotion induction and regulation in the ADHD group were not normalized by stimulant medication.

行動的に、ADHDグループは感情の誘発と調整能力の低下を示しました。脳の画像診断では、感情調整時の異常な活性化および不活性化パターンが明らかになり、健常者と比較して、辺縁系および準辺縁系領域の灰白質の容積が低下し、視覚および小脳領域の灰白質の容積が増加していることが示されました。ADHDグループにおける感情の誘発と調整に見られる行動的および機能的欠損は、刺激薬によって正常化されませんでした。

Conclusion

結論

Patients with ADHD may have impaired emotion induction and emotion regulation capacity, but these deficits are not reversed by stimulant medication. These results have important clinical implications when assessing which aspects of emotional dysregulation are relevant for patients and if and how traditional ADHD pharmacotherapy affects emotion induction and emotion regulation.

ADHDの患者は、感情の誘導や感情の調整能力が障害されている可能性がありますが、これらの欠陥は刺激薬によって改善されることはありません。これらの結果は、患者にとって関連性のある感情的調整の側面を評価する際や、従来のADHD向けの薬物治療が感情の誘導や感情の調整にどのように影響するかを考慮する上で重要な臨床的意味を持っています。

二次性の感情のゆらぎにおいて精神賦活薬は効果がなかったというのは意義深いものでありました。

1) Myrto Sklivanioti Greenfield et al: J Psychiatry Neurosci. 2024 Aug 9;49 (4):E242-E251

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ようやく終焉を迎えつつあるコロナウイルス感染症への予防・治療

共生してきた4年を終え私たちの生活様式も大きく変わりました

人の接面が減り、在宅ワークやオンライン授業に伴い集団相互作用に不足から中学生の不登校も桁違いに増え続けています

年度       小学校の不登校 中学校の不登校 高等学校の不登校1)

生徒数と割合で示したものになります

平成26年度         25,864人(0.39%) 97,033人(2.76%) 53,156人(1.59%)

平成27年度         27,583人(0.42%) 98,408人(2.83%) 49,563人(1.49%)

平成28年度         30,448人(0.47%) 103,235人(3.01%)48,565人(1.46%)

平成29年度         35,032人(0.54%) 108,999人(3.25%)49,643人(1.51%)

平成30年度         44,841人(0.7%)  119,687人(3.65%)52,723人(1.63%)

令和元年度           53,350人(0.83%) 127,922人(3.94%)50,100人(1.58%)

令和2年度           63,350人(1.0%)  132,777人(4.09%)43,051人(1.39%)

令和3年度           81,498人(1.3%)  163,442人(5.0%) 50,985人(1.7%)

令和4年度           105,112人(1.7%) 193,936人(5.98%)60,575人(2.0%)

過去9年間において小学生では約4倍

中核性は約2,5倍 高校生では約30%増といずれの学童も増加傾向にありますが、成熟度の低い小学生の不登校の問題は今後社会的に肥大化した問題となってくることでしょう

社会的な問題としても難しい対応が迫られるpost-Covid-Ageにおいていま直面化しているのはコロナ後遺症患者様の2次治療です。当院ではコロナ後遺症外来は行っておりませんがお問い合わせや不定愁訴で来られる方も多く連携病院からの叡智をいただき治療して参りましたが治療の裏付けとなる論文で出てきましたので今日は皆さまと共有させてください

Treatment of 95 post-Covid patients with SSRIs 2)

SSRIによる新型コロナウイルス感染症後の患者95人の治療

Abstract

After Covid-19 infection, 12.5% develops post-Covid-syndrome (PCS). Symptoms indicate numerous affected organ systems. After a year, chronic fatigue, dysautonomia and neurological and neuropsychiatric complaints predominate. In this study, 95 PCS patients were treated with selective serotonin reuptake inhibitors (SSRIs). This study used an exploratory questionnaire and found that two-thirds of patients had a reasonably good to strong response on SSRIs, over a quarter of patients had moderate response, while 10% reported no response. Overall, patients experienced substantial improved well-being. Brainfog and sensory overload decreased most, followed by chronic fatigue and dysautonomia. Outcomes were measured with three different measures that correlated strongly with each other. The response to SSRIs in PCS conditions was explained by seven possible neurobiological mechanisms based on recent literature on PCS integrated with already existing knowledge. Important for understanding these mechanisms is the underlying biochemical interaction between various neurotransmitter systems and parts of the immune system, and their dysregulation in PCS. The main link appears to be with the metabolic kynurenine pathway (KP) which interacts extensively with the immune system. The KP uses the same precursor as serotonin: tryptophan. The KP is overactive in PCS which maintains inflammation and which causes a lack of tryptophan. Finally, potential avenues for future research to advance this line of clinical research are discussed.

新型コロナウイルス感染後、12.5%が新型コロナウイルス感染後症候群(PCS)を発症する。 症状は、多くの臓器系が影響を受けていることを示しています。 1 年後、慢性疲労、自律神経失調症、神経学的および神経精神医学的な訴えが優勢になります。 この研究では、95 人の PCS 患者が選択的セロトニン再取り込み阻害剤 (SSRI) で治療されました。 この研究では探索的アンケートを使用し、患者の 3 分の 2 が SSRI に対して適度に良好から強い反応を示し、患者の 4 分の 1 以上が中等度の反応を示し、10% が無反応を報告したことがわかりました。 全体として、患者は大幅な幸福感の改善を経験しました。 最も減少したのは脳過敏と感覚過負荷で、次に慢性疲労と自律神経失調症が続きました。 結果は、互いに強く相関する 3 つの異なる尺度で測定されました。 PCS 状態における SSRI に対する反応は、既存の知識と統合された PCS に関する最近の文献に基づいた 7 つの考えられる神経生物学的メカニズムによって説明されました。 これらのメカニズムを理解するために重要なのは、さまざまな神経伝達物質系と免疫系の一部の間の根底にある生化学的相互作用と、PCS におけるそれらの調節不全です。 主な関係は、免疫系と広範囲に相互作用する代謝キヌレニン経路 (KP) にあると考えられます。 KP はセロトニンと同じ前駆体であるトリプトファンを使用します。 PCSではKPが過剰に活性化し、炎症を維持し、トリプトファンの欠乏を引き起こします。 最後に、この分野の臨床研究を前進させるための将来の研究の可能性のある道について議論します。

Method

The Medical Ethics Review Committee of Amsterdam University Medical Centers has reviewed the research, nr. 2023.0358. Based on the protocol and the documents submitted, the committee concludes that the design of the study meets the requirements arising from applicable laws and regulations, including ECTR, MDR or IVDR, WGBO (Medical Treatment Contract Act) and the AVG (General Data Protection Regulation). All methods were performed in accordance with the relevant guidelines and regulations.

The Medical Ethics Review Committee of Amsterdam University Medical Centers is registered with the US Office for Human Research Protections (OHRP) as IRB00013752. The FWA number assigned to Amsterdam UMC is FWA00032965.

アムステルダム大学医療センターの医療倫理審査委員会は、この研究を審査しました。 2023.0358。 委員会は、プロトコールおよび提出された文書に基づいて、研究の設計が ECTR、MDR または IVDR、WGBO (医療契約法)、および AVG (一般データ保護規則) を含む適用法および規制から生じる要件を満たしていると結論付けます。 )。 すべての方法は、関連するガイドラインおよび規制に従って実行されました。

アムステルダム大学医療センターの医療倫理審査委員会は、米国人間研究保護局 (OHRP) に IRB00013752 として登録されています。 アムステルダム UMC に割り当てられた FWA 番号は FWA00032965 です。

Treatment

Patients who were interested in treatment with an SSRI and their general practitioners (GP) were informed by e-mail about the experimental nature of the treatment, the possible response to SSRIs in PCS, which SSRIs could be used, the dosage, the titration and the possible side effects. The information for patients and physicians was also posted on the website sepsis-en-daarna.nl/en/ We did not treat the patients ourselves but advised them to consult with their own (primary) physician about treatment with an SSRI. It was always important to emphasize that the SSRI in PCS was advised for other working mechanisms than for depression or anxiety symptoms. Of the SSRIs, sigma1 receptor agonists such as fluvoxamine, citalopram, escitalopram and fluoxetine were advised preferentially. This is because these drugs can reduce elevated pro-inflammatory cytokines34. We also recommended venlafaxine, which is not an SSRI, but an SNRI. From a dosage of 150 mg daily, it also acts through the dopaminergic system. It was advised to start with a low dose and depending on response and side effects, to titrate upwards carefully, until an acceptable dose was reached. We used the dose for depression as a guideline. If there were many side effects, we titrated the SSRI even more slowly, for example, adding a drop of 2 mg citalopram every two weeks. The final dosages of the SSRIs varied. Some patients ended up on 30 mg citalopram, others only on 5 mg. The same variation was also true for the other SSRIs. It has remained customized work. In case of persistent serious side effects, we advised patients and their physicians to use another SSRI, possibly after having a pharmacogenetic profile created first (Table 1).

SSRI による治療に興味のある患者とその一般開業医 (GP) には、治療の実験的性質、PCS における SSRI に対する反応の可能性、どの SSRI が使用できるか、投与量、用量設定、および使用できる SSRI について電子メールで通知されました。 考えられる副作用。 患者と医師向けの情報はウェブサイトsepsis-en-daarna.nl/en/にも掲載されたが、私たちは患者を自分で治療するのではなく、SSRIによる治療について自分の(主治医)医師に相談するようアドバイスした。 PCS における SSRI は、うつ病や不安症状以外の他の作用機序に対しても推奨されているということを常に強調することが重要でした。 SSRI のうち、フルボキサミン、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチンなどのシグマ 1 受容体作動薬が優先的に推奨されました。 これは、これらの薬剤が炎症誘発性サイトカインの上昇を減少させることができるためです34。 また、SSRI ではなく SNRI であるベンラファクシンも推奨しました。 1日あたり150 mgの用量から、ドーパミン作動性システムを通じても作用します。 低用量から開始し、反応や副作用に応じて、許容可能な用量に達するまで慎重に増量することが推奨されました。 うつ病に対する投与量をガイドラインとして使用しました。 多くの副作用がある場合は、たとえば 2 週間ごとに 2 mg のシタロプラムを追加するなど、SSRI の用量をさらにゆっくりと調整しました。 SSRI の最終投与量はさまざまでした。 最終的に 30 mg のシタロプラムを服用した患者もいますが、5 mg のみを服用した患者もいます。 同じ変化が他の SSRI にも当てはまりました。 カスタマイズ作業が残っています。 重篤な副作用が持続する場合には、おそらく最初に薬理遺伝学的プロファイルを作成した後で、別の SSRI を使用するよう患者と医師にアドバイスしました 。

SSRIとは別の薬剤はアミトリプチリン、クエチアピン、ミルタザピンの併用に対してPPI
や抗Hi薬併用のもとで副作用に配慮を置きながら治療が行われた

Results

Demographic and clinical characteristics

The mean age was 43 ± 11.5 (SD; min–max: 21–72) and women were over-represented (male–female ratio 1:5.8). 76% were living with a partner and 62% had one or more children. Over three-quarters had higher education (NL population: over one-third). The percentage of patients working in healthcare (31%) or education (18%) was significantly higher (BF = 591 en BF = 558, respectively) than in the general Dutch population: of the 10.0 million employed, 1.4 million (14%) work in healthcare, and 577,000 (5.7%) in education. Covid-19 infection, except for three patients, was without hospitalization. Before initiation of an SSRI, patients had PCS for an average of 15 ± 8.1 months (min–max: 3–36), and they were usually severely impaired. 30–40% felt numb (a dissociative symptom) or despondent because of their PCS but were not depressed (DSM-5). Two patients did develop clinical depression (first episode) and two developed an anxiety disorder (DSM-5 criteria).

76 patients (80%, n = 93) had comorbidity which is a risk factor for PCS1. See Table 2. 46 patients (49.5%) had asthma or an allergy: hay fever, mug wort (variant of hay fever), house dust, nickel, cats, other pets, grapefruit, shellfish, birds, insect bites, amoxicillin, clamoxyl, vibramycin, mold, latex, perfume, make up, gluten, sun, kiwi, plasters, nuts, peanuts, and sometimes multiple allergies simultaneously. Nine patients had an autoimmune disease: Sjogren’s, rheumatoid arthritis, Cushing’s, hypothyroidism, lichen planus, celiac disease, and high anti-nuclear antibodies (ANA); three had ME/CFS; two patients had had Epstein-Barr virus and one Dengue virus; ten had a connective tissue disorder: fibromyalgia, CRPS I, hemihypertrophy, and osteoarthritis. Seven had a psychiatric disorder, including three with AD(H)D, two with depression, and two with anxiety or panic disorder. Two patients had factor V Leiden thrombophilia.

人口統計学的および臨床的特徴

平均年齢は43 ± 11.5歳(標準偏差、最小値〜最大値:21〜72歳)で、女性の割合が多かった(男性:女性比1:5.8)。 76% がパートナーと同居しており、62% には 1 人以上の子供がいた。 4 分の 3 以上が高等教育を受けています (NL 人口: 3 分の 1 以上)。 ヘルスケア (31%) または教育 (18%) に従事する患者の割合は、オランダの一般人口よりも大幅に高かった (それぞれ BF = 591、BF = 558): 雇用されている 1,000 万人のうち、140 万人 (14%) 医療関係に従事する人が 577,000 人 (5.7%) です。 3人の患者を除いて、新型コロナウイルス感染症による入院はなかった。 SSRI の開始前、患者は平均 15 ± 8.1 か月間 (最小-最大: 3-36) にわたって PCS を患っており、通常は重度の障害を抱えていました。 30~40%はPCSのせいでしびれ(解離症状)や落胆を感じていたが、うつ病ではなかった(DSM-5)。 2 人の患者は臨床的うつ病 (最初のエピソード) を発症し、2 人の患者は不安障害 (DSM-5 基準) を発症しました。

76 人の患者 (80%、n = 93) が PCS1 の危険因子である併存疾患を患っていました。 表2を参照。46人の患者(49.5%)が喘息またはアレルギーを患っていた:花粉症、ヨモギ(花粉症の変種)、ハウスダスト、ニッケル、猫、その他のペット、グレープフルーツ、貝類、鳥、虫刺され、アモキシシリン、クラモキシル 、ビブラマイシン、カビ、ラテックス、香水、化粧品、グルテン、太陽、キウイ、絆創膏、ナッツ、ピーナッツ、そして時には複数のアレルギーを同時に引き起こすこともあります。 9人の患者は自己免疫疾患を患っていた:シェーグレン病、関節リウマチ、クッシング病、甲状腺機能低下症、扁平苔癬、セリアック病、高抗核抗体(ANA)。 3人はME/CFSを患っていた。 2人の患者はエプスタイン・バーウイルス、1人の患者はデングウイルスに感染していた。 10人は結合組織疾患を患っていた:線維筋痛症、CRPS I、半身肥大、変形性関節症。 7人は精神疾患を患っており、そのうち3人はAD(H)D、2人はうつ病、2人は不安症またはパニック障害を患っていた。 2人の患者は第V因子ライデン血小板増加症を患っていた。

Reported outcomes

Open question about outcomes

63.4% of patients (n = 93) reported decrease in symptoms after treatment with an SSRI with an improvement that was reasonable good (26.9%), good (29%), and strong (7.5%) (see Fig. 2). 29 patients (31.1%) reported improved sleep. 67 patients (72.0%) described a decrease in PEM. Four patients reported decreased gastrointestinal symptoms. In one patient, fever had disappeared, and one patient was able to chew better again. In one patient, PCS had caused her only functioning adrenal gland to fail, for which she was treated with hydrocortisone. After an SSRI, her adrenal gland recovered and she was able to taper off the hydrocortisone dosage. Furthermore, in this patient, PCS increased her TSH from 2.5 mlU/l to 5.5 mlU/l (N 0.3–4.2 mlU/l). As a result, her free T4 increased from 14 pmol/l to 19 pmol/l (high-normal). After treatment with an SSRI, her TSH and free T4 dropped back to normal. The fourteen patients with dissociative symptoms reported that these had disappeared. Finally, it is noticeable that patients often report that the SSRI produces an increase in response in the months after starting. 24 patients who took the SSRI for more than six months reported that the outcomes were maintained.

報告された結果

結果に関する未解決の質問

患者の 63.4% (n = 93) が、SSRI による治療後に症状の軽減を報告し、改善はかなり良好 (26.9%)、良好 (29%)、および強力 (7.5%) でした (図 2 を参照)。 29 人の患者 (31.1%) が睡眠の改善を報告しました。 67 人の患者 (72.0%) が PEM の減少を報告しました。 4人の患者が胃腸症状の軽減を報告した。ある患者では熱が下がり、もう一人の患者は再びよく噛めるようになりました。ある患者では、PCS により唯一機能している副腎が機能不全に陥り、ヒドロコルチゾンによる治療を受けました。 SSRI の投与後、彼女の副腎は回復し、ヒドロコルチゾンの投与量を徐々に減らすことができました。さらに、この患者では、PCS により TSH が 2.5 mlU/l から 5.5 mlU/l に増加しました (N 0.3 ~ 4.2 mlU/l)。その結果、彼女の遊離 T4 は 14 pmol/l から 19 pmol/l (正常高値) に増加しました。 SSRI による治療後、彼女の TSH と遊離 T4 は正常値に戻りました。解離性症状を患っていた14人の患者は、解離性症状が消失したと報告した。最後に、SSRI の投与開始後数か月で反応が増加したと患者がしばしば報告していることは注目に値します。 SSRIを6か月以上服用した24人の患者は、転帰が維持されたと報告した。

コロナ後遺症外来の患者様大概は診療情報提供書がない状況で相談に来られます

当院場合は主に2つに医療機関にて治療を行い奏功せずに来院されています

炎症性サイトカインをはじめ自己抗体の関与はコロナ後遺症との関連されるのは明らかでありますが、抗アレルギー剤やステロイド・免疫抑制剤でのアプローチではなく補剤である漢方薬による対症療法が行われていることが多いようです。半分程度の人は自然治癒過程にはいるので対症療法を後遺症外来で行う意義は低いでしょう。後遺症を患う期間の半年から2年という長期であることやSSRIの有用性また抗ヒスタミン薬との併用(精神科領域ではミルタザピンやアタラックスになることでしょう)を炎症(inframmation)という基軸においてく見てるという考えかた自体が未曾有の感染症の後遺症対応においてひとつの指針となる今年度における最もインパクトが強い論文であり即座に臨床現場に落とし込み苦しまれている患者様への一手となれば幸いです。

  1. 文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和5年10月4日発表)
  2. Carla P. Rus, Bert E. K. de Vries et al; Open access Published;02 November 2023

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精神科における休職相談と流れ

論文以外の一般的な治療や制度について知りたいとのお声がありましたのでそのような文章も時に加筆していきます。どうぞよろしくお願いいたします

精神科・心療内科での休職相談について休職の流れ• まず、心療内科や精神科を受診し、医師の診断を受けます。必要と判断されれば診断書が発行され、その診断書を会社へ提出することで休職が認められます。

診断書は即日発行が可能なクリニックもあるので、急ぎの場合は事前に確認しておくと安心です。

休職中は月1から2回程度の通院を継続し、主治医と相談しながら療養・回復に努めます。休職中のポイント

休職中は仕事から離れ、心身の回復を最優先にします。

無理をせず、規則正しい生活や適度な活動を心がけましょう。

 会社からの給与は原則支給されませんが、「傷病手当金」など公的制度を利用できる場合があります。復職について体調が回復し、主治医の許可が出たら復職の準備を進めます。復職用の診断書提出や、会社の産業医との面談が必要な場合もあります。復職前後の働き方やフォロー体制について、会社と十分に相談することが大切です。相談先の選び方•及び休職や復職の相談は、心療内科・精神科で診察内にて個別に対応しています。即日診断書発行やリワーク支援があるクリニックも多いので、希望に合わせて選ぶとよいでしょう。まとめ精神的な不調で仕事がつらいと感じたら、早めに精神科専門医へ相談し、必要に応じて休職を検討してください。診断書の発行や復職支援など、一連の流れをサポートしてくれるクリニックもありますので、安心して相談できます

#いま、日常生活にてお困り点はございませんか?

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ストレスチェック制度の機能的評価

5人にひとりがうつ病と診断をされる時代となりました

医療機関を受診されずに問題を抱えていらっしゃる方も考慮すると実数はより多いものかもしれません。可逆的なうつ、うつ状態において環境マネジメントや精神療法及び薬物療法、余暇や思考の修正を図りながら生きやすい環境の再構築が医療機関に求められていると考えております。労務に関わる事前にうつ病とならないようストレスチェック「労働安全衛生法」の改正により、平成27年12月以降、50人以上の労働者がいる事業所でストレスチェック制度の実施が義務づけられました。健診にてスクリーニングされた患者様を拝診する機会が増えましたが、問診表と異なり治療不要と判断、共有される患者様も多い印象です。以下はストレスチェックにおける比較対象研究論文です

Predictability of the National Psychological Stress Screening for Subsequent Long-Term Psychiatric Sick Leave Among Employees: A Multicenter Nested Case-Control Study1).

従業員のその後の長期精神疾患による病気休暇に対する全国心理ストレススクリーニングの予測可能性:多施設ネスト型症例対照研究。

OBJECTIVE : The aim of the study is to predict employees’ long-term sick leave due to psychiatric disorders using the national psychological stress screening program.

目的: この研究の目的は、国家心理ストレススクリーニングプログラムを使用して、精神疾患による従業員の長期病気休暇を予測することです。

METHODS : University employees who took long-term psychiatric sick leave in 2016-2018 were assigned as cases. Those who were present at work and matched for sex, age, and occupation type were assigned as controls. Answers in a 57-item questionnaire were analyzed by multivariable regression, and a prediction model was developed. It was validated in cases and matched controls in 2019.

方法:2016年から2018年にかけて長期の精神疾患による病気休暇を取った大学職員を症例として割り当てた。職場にいて性別、年齢、職業の種類が一致する者を対照として割り当てた。57項目の質問票の回答を多変量回帰分析し、予測モデルを開発した。このモデルは2019年に症例と一致する対照で検証された。

RESULTS : Six items were identified as independent predictors by multivariable regression and included in a prediction model. The area under the receiver-operating characteristics curve was 0.768 (95% confidence interval: 0.723-0.813). This finding was similar to that in the validation sample.

結果: 多変量回帰分析により 6 つの項目が独立した予測因子として特定され、予測モデルに組み込まれました。受信者動作特性曲線の下の面積は 0.768 (95% 信頼区間: 0.723-0.813) でした。この結果は検証サンプルの結果と同様でした。

CONCLUSIONS : The performance of the prediction model was modest and the national Stress Check Program should be further refined.

結論: 予測モデルのパフォーマンスは中程度であり、国家ストレスチェックプログラムはさらに改良する必要がある。

ストレスチェックの予測モデルは文化的背景、ジェンダー、年齢環境といった交絡因子をより修正し特異性を高めていくことが見逃しや擬陽性を減らしていける健診につながることを示唆しております

  1. Takashi Kawamura, Daisuke Kobayashi;Journal of occupational and environmental medicine. 2024 May 01;66(5);433-438

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