現代社会は、目まぐるしい変化と複雑な人間関係の中で、誰もが心身のバランスを崩してしまう可能性を秘めています。「もしかして、精神科や心療内科を受診した方がいいのかな?」と感じても、どんな時に、どんな症状があれば受診すべきなのか、具体的にイメージしにくい方もいるかもしれません。川崎市中原区に当院、中原こころのクリニックは武蔵中原駅前、溝の口や武蔵小杉からも近隣にございます。主治医制(四ノ宮基医師)のもとハートフル川崎病院にも現役で勤務する精神科専門医指導医がひとりひとりを精神科医、心療内科医として拝診致します
ここでは、精神科・心療内科を受診することが望ましい様々なケースを、具体的な例や状況を交えながら詳しく解説します。ご自身の状況と照らし合わせ、受診を検討するきっかけとしていただければ幸いです。
1. 気分の落ち込みや意欲の低下が続くとき
例1: 大学に通うAさんは、以前はサークル活動や友人との交流を楽しんでいましたが、ここ数週間、何をするにも億劫で、大学に行くのも辛く感じるようになりました。趣味だった読書や映画鑑賞も楽しめず、一日中ベッドで過ごすことが増えました。「どうせ自分なんて…」とネガティブなことばかり考えてしまい、涙もろくなったと感じています。
状況: 以前は楽しめていた活動に興味が持てなくなり、意欲が低下している状態です。ネガティブな思考が強く、感情のコントロールが難しくなっている可能性があります。
例2: 会社員のBさんは、仕事で大きなプロジェクトを終えてから、達成感を感じるどころか、強い疲労感と倦怠感に襲われています。休日も何もする気が起きず、ただ時間だけが過ぎていくように感じます。以前は楽しみにしていた週末の外出も億劫になり、誰とも連絡を取りたくありません。
状況: プロジェクトの達成という一見ポジティブな出来事の後でも、気分の落ち込みや意欲の低下が見られることがあります。これは、燃え尽き症候群(バーンアウト)の可能性も考えられます。
受診を検討するサイン:
何週間も気分が晴れない、憂鬱な気分が続く
今まで楽しめていたことに興味や喜びを感じなくなった(興味及び喜びの喪失)
意欲がなく、何をするのも億劫に感じる(無気力感)
疲れやすく、倦怠感が続く(易疲労感)
食欲不振(食思不振)や体重の増減がある
眠れない、または寝すぎる(睡眠障害)
自分には価値がないと感じる、罪悪感を抱く(自責感)
集中力や思考力の低下を感じる(思考の制止)
死について考えることがある(希死念慮)
2. 不安や緊張が強く、日常生活に支障が出ているとき
例3: 高校生のCさんは、些細なことで過剰に心配になり、常にドキドキしています。テスト前になると不安で眠れなくなり、学校に行く前に腹痛や吐き気を催すこともあります。忘れ物がないか何度も確認したり、些細なことが気になって勉強に集中できません。
状況: 特定の状況だけでなく、日常的に強い不安を感じ、それが身体症状として現れている可能性があります。学業にも支障が出ており、早めの対応が望まれます。強迫的確認も不安の症状のひとつです
例4: 会社員のDさんは、人前で話すことに強い恐怖を感じています。会議で発言する順番が近づくと、動悸が激しくなり、冷や汗が出て、頭が真っ白になります。そのため、できるだけ人前に出ることを避けようとしてしまい、仕事にも影響が出てきています。
状況: 特定の状況下で強い不安や恐怖を感じる場合、社交不安症(社会不安障害(あがり症))の可能性があります。
受診を検討するサイン:
理由もなく不安になったり、パニック発作を起こしたりする
特定の状況や対象に強い恐怖を感じる(例:対人関係、高い場所、閉鎖空間など)
常に緊張していて、リラックスできない
ささいなことが気になって仕方がない
何度も同じことを確認してしまう
不安のために日常生活に支障が出ている
3. 眠れない日が続くとき
例5: 主婦のEさんは、夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けません。寝不足のため、日中は強い眠気を感じ、集中力も低下しています。布団に入ってもなかなか寝付けず、焦りを感じることもあります。
状況: 一過性ではなく、慢性的に睡眠の問題が続いている場合、不眠症の可能性があります。睡眠不足は、日中の活動にも悪影響を及ぼします。
受診を検討するサイン:
なかなか寝付けない(入眠困難)
夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
眠りが浅く、熟睡感がない(断眠、浅睡眠)
睡眠不足のために日中の活動に支障が出ている
睡眠は時間でなく質で評価することが有用です。中原こころのクリニックでは器質性の睡眠障害と二次性の睡眠障害ならびに非器質性睡眠障害の鑑別を行います
4. 食行動に異常があるとき
例6: 女子大学生のFさんは、体重が増えることに強い恐怖を感じ、食事の量を極端に減らしたり、食べた後に無理やり吐いたりしてしまいます。周りの人からは「痩せすぎだよ」と心配されることもありますが、自分ではまだ太っていると感じています。
状況: 体重や体型に対する過度なこだわりがあり、健康を損なうような食行動が見られる場合、摂食障害(神経性無食欲症、神経性過食症など)の可能性があります。
例7: 会社員のGさんは、ストレスが溜まると、つい食べ過ぎてしまいます。満腹感を感じても食べるのをやめられず、後で後悔することがよくあります。体重の増加も気になっていますが、食欲をコントロールできません。
状況: ストレスを食べることで紛らわそうとする、食欲のコントロールが難しくなっている場合、過食性障害の可能性があります。
受診を検討するサイン:
体重や体型に対する強いこだわりがある(体型から体重に関心が変容)
食事の量を極端に制限する
食べた後に無理やり吐く
下剤や利尿剤を乱用する(代償行動)
コントロールできないほどの過食がある
食行動について強い罪悪感や後悔の念を抱く(自責)
中原こころのクリニックもともとのダイエットへの想いと現状を照らし合わせて治療策定をします
5. 周囲との関係で悩んでいるとき
例8: 会社員のHさんは、職場の人間関係に悩んでいます。特定の上司からのパワハラに苦しみ、毎日会社に行くのが辛いです。誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまい、夜も眠れないことがあります。
状況: 職場や家庭など、周囲との人間関係におけるストレスが、心身の不調につながっている可能性があります。
例9: 主婦のIさんは、夫とのコミュニケーションがうまくいかず、常に孤独を感じています。ささいなことで喧嘩になり、お互いに感情的にぶつかってしまいます。誰にも相談できず、出口のない迷路にいるような気持ちです。
状況: 夫婦関係や家族関係における問題が、精神的な負担になっている可能性があります。
受診を検討するサイン:
特定の相手との関係で強いストレスを感じる
孤立感や孤独感を強く感じる
他人とのコミュニケーションがうまくいかない
感情のコントロールが難しく、人間関係でトラブルが多い
外的における最初の一歩は環境のマネジメントを職域や学校・家庭で調整することが大切になります。中原こころのクリニックでは環境マネジメントと治療の併行を行います
6. 過去のつらい経験から立ち直れないとき
例10: 大学生のJさんは、数年前に交通事故に遭い、その時の光景がフラッシュバックのように蘇ることがあります。事故のことを考えると強い恐怖を感じ、夜も眠れません。事故現場の近くを通るのも避けるようになり、日常生活に支障が出ています。
状況: 過去のトラウマとなるような経験が、現在の精神状態に影響を与えている可能性があります。急性ストレス障害が遷延して心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性も考えられます。
受診を検討するサイン:
過去のつらい経験が何度も思い出され、苦痛を感じる
その時の感情がよみがえり、まるで今起こっているかのように感じる(フラッシュバック)
関連する場所や状況を避けるようになる
常に警戒心が強く、神経過敏になっている
眠れない、または悪夢を見る。トラウマの解除には現状のコンディション回復ののち直面化することが望ましいと中原こころのクリニック精神科医四ノ宮基医師は考えております
7. 思考や知覚に変化があるとき
例11: 会社員のKさんは、最近、誰もいないはずなのに人の声が聞こえるように感じることがあります。また、「誰かに監視されているのではないか」という根拠のない考えが頭から離れません。
状況: 現実にはないものを感じたり、非現実的な考えにとらわれたりする場合、統合失調症などの精神疾患の可能性があります。
受診を検討するサイン:
実際にはない音や声が聞こえる(幻聴)
ありえないことを信じ込む(妄想)
考えがまとまらず、支離滅裂になる(連合弛緩 熱烈思考)
感情の起伏が激しい(感情易変性)
行動が奇妙に感じられる
周囲にとっては奇異なことでもご本人様にとっては真実であり否定せずに状況を共有していくことが川崎市中原区中原こころのクリニックにおいては最初のとりかかりとなります。精神病性特徴における興奮が強い場合は外来通院治療は困難であり訪問診療における包括的医療や入院治療が優先されることもあります
8. 原因不明の体調不良が続くとき
例12: OLのLさんは、頭痛やめまい、動悸、腹痛など、様々な体の不調が続いています。病院で検査を受けても特に異常は見つかりませんでしたが、症状は改善しません。
状況: ストレスや心理的な要因が、身体症状として現れている可能性があります。心身症と呼ばれる状態です。
受診を検討するサイン:
検査をしても原因が特定できない体の不調が続く
ストレスを感じると症状が悪化する
症状が一つだけでなく、多岐にわたる(多形性病変)
精神科と心療内科の違い
「精神科」と「心療内科」は、どちらも心の健康に関する診療科ですが、それぞれ少し異なる側面を持っています。
精神科: 主に、気分障害(うつ病、双極性障害など)、不安障害、統合失調症、発達障害など、精神的な疾患の診断と治療を行います。薬物療法や精神療法(カウンセリング)を中心に行います。
心療内科: 主に、心理的な要因が関与する身体の病気(心身症)を扱います。ストレスによる胃腸の不調、自律神経失調症、過敏性腸症候群などが該当します。心理療法に加えて、必要に応じて薬物療法も行います。
どちらを受診すべきか迷う場合は、まずは気になる症状をかかりつけ医に相談してみるのも良いでしょう。必要に応じて、適切な医療機関を紹介してもらえることがあります。
中原こころのクリニックでは精神科的アプローチも心療内科的アプローチも重ねていきます。四ノ宮基医師は精神科医ではありますが、後期研修医の際には心療内科学会において3回の学会発表の経歴がございます
受診をためらわないで
「精神科や心療内科に行くのは、なんだか怖い」「周りの人にどう思われるか心配」と感じる方もいるかもしれません。しかし、心の病気も体の病気と同じように、早期の発見と適切な治療が大切です。
我慢したり、一人で悩んだりせずに、専門家の力を借りることは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、より良く生きるための勇気ある一歩です。
もし、この記事を読んで「もしかしたら、私も…」と感じたなら、まずは医療機関に相談してみることをお勧めします。話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
相談窓口
医療機関への受診に抵抗がある場合は、まずは相談窓口を利用してみるのも良いでしょう。
いのちの電話: 0570-783-556 (お住まいの地域によって番号が異なります)
よりそいホットライン: 0120-279-338
これらの窓口では、専門の相談員があなたの話を聞き、必要な情報を提供してくれます。
また居住区の行政に相談をしてみることもひとつの方法です
まとめ
精神科や心療内科を受診した方がいいときは、決して特別なことではありません。気分の落ち込み、強い不安、不眠、食行動の異常、人間関係の悩み、過去のつらい経験、思考や知覚の変化、原因不明の体調不良など、様々なサインがあります。
大切なのは、「いつもと違う」「つらい」と感じたら、一人で抱え込まずに、専門家に相談してみるという選択肢を持つことです。あなたの心が少しでも楽になるように、武蔵小杉や溝の口からも近隣にある中原ここころのクリニックでは症状ならびにその先の人生が少しでも好転されるような治療を行って参ります。もし、具体的な症状についてさらに詳しく知りたい場合や、どの診療科を受診すべきか迷う場合は、遠慮なく質問してください。
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