診察室と予備診察

精神科及び心療内科にははじめてお迎えする患者様も久しぶりに来院される患者様もいらっしゃいます。不安や苦しい状況のなか、手書きで問診票を御記載頂いて恐縮です

医療の簡略化やIoT導入は大切ですが、問診票や診療情報提供書(紹介状)、公的扶助継続のための前医作成診断書複写は医療を円滑に進める上で大切な材料でございます

当院では精神科医療知識を有する医療スタッフにおける予備診察を問診の前に行います

様々な医療機関にて前期研修医、専修医、公認心理士や精神保健福祉士、医療事務スタッフにおける予備診察後に診察をさせていただく機会を得てきました。その結果一定の知識を有する担当者であれば医療者、福祉職、事務職において有意差が生じないことが分かりました。一方でWeb問診になると病歴や生活歴また主訴に特異性が損なわれ診察に影響があることも体得致しました。その為、当院では対面での予備診察を時間が掛かっても引き続き行い診察に繋げていこうと考えております。その為、初診の際にはお時間をいただくことがありますがご理解の程よろしくお願い申し上げます。

大事な診察室や予備診察室に素敵な絵をご寄贈頂いております

X年Y月に患者様のご家族の方から訪問診療のご依頼を受けました。

言動や行動がまとまらず生活が破綻している、どこの病院も対応が出来ないと断れてしまったと外来通院が困難な為に往診でご自宅での診察となりました。ご家族の手厚いサポートや心が別の世界にあっても1本の糸でつながれた家族の言葉のおかげで治療は思わぬ形で軌道に乗り始め元の生活を取り戻しましたが、ある日街中で意識を失い救急搬送され心臓の弁置換術を受けられました。自宅に帰り懸命なリハビリのなか、再び自力での生活を取り戻しましたが、今春虚血性心疾患によりご逝去されました。最後の砦としての治療場面における訪問診療は緊張感と責任感が常にある世界ですがご家族と共有した2年間の治療期間を大変ご評価していただきまた、難治性疾患の難しい局面においても強制治療を経ずに奏功していく貴重な経験をさせていただきました。ご自宅の居間に飾ってあった2枚の油絵はご兄弟が心を込めて描出された油絵でありいつも眺めながらご自宅にて治療をしておりました、血圧の管理においてガイドラインは日本やアメリカのガイドラインでは下がりきらず英国のガイドラインをベースに心負荷の軽減に努めておりましたが、貴重な2年でもありましたが価値ある命の時間はもう少し延長できたのではとも今でも思っています

ご家族とは患者様のご逝去後にもお声掛けを何度もいただき、貴重な絵はクリニックの診察室と予備診察室に装飾させていただくこととなりました。

診察室にはフランスのモンサンミッシェル、予備診察室には日本の美術館庭園で遭遇した光景と温かくも優しく美しい油絵です。患者様が診察に来ていただいたときに包み込む光でもあります。

高橋正卓様のご厚意に心より感謝申し上げます

#いま、日常生活にてお困り点はございませんか?

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双極性感情障害におけるうつ相への気分安定薬に加えた薬物療法の検討

5人にひとりがうつ病を生涯において経験するといわれ、はや十年

圧倒的な速度で私生活を変えてしまったcovid-19の登場からはや5年となりました

精神疾患の罹患は全体的に増え、また未病であっても不登校や社会的引きこもりなど社会との接点が分断されている現状に私たちはいまも居ます

何のために生きるのか?

それぞれの方の人生観が見えなくなっていれば一緒に模索を、目標があれば進める支援を行えるクリニックでありたいです。双極性感情障害ほど初期研修医や学部生の時と解釈が変わった疾患はありません。躁的因子(bipolarity)を考慮すると人が抱える気分の大きな波は限られた人だけでなくより広義の視点で見ていく必要があるかと思います

ただ急速交代型の双極性感情障害であっても1年に4回の気分の変動でありますので1か月の間に何度も気分の上下がある場合は環境因子における心因反応と解釈します

本日は『双極性感情障害(躁うつ病)』に関する論文のご紹介です

双極 I 型障害の抑うつに対する維持療法における抗うつ薬の補助的投与期間

Duration of Adjunctive Antidepressant Maintenance in Bipolar I Depression

L.N. Yatham and Others

BACKGROUND

Antidepressants are used to treat acute depression in patients with bipolar I disorder, but their effect as maintenance treatment after the remission of depression has not been well studied

背景;双極 I 型障害患者では,急性の抑うつの治療に抗うつ薬が用いられるが,抑うつ寛解後の維持療法としての効果は十分に研究されていない.

METHODS

We conducted a multisite, double-blind, randomized, placebo-controlled trial of maintenance of treatment with adjunctive escitalopram or bupropion XL as compared with discontinuation of antidepressant therapy in patients with bipolar I disorder who had recently had remission of a depressive episode. Patients were randomly assigned in a 1:1 ratio to continue treatment with antidepressants for 52 weeks after remission or to switch to placebo at 8 weeks. The primary outcome, assessed in a time-to-event analysis, was any mood episode, as defined by scores on scales measuring symptoms of hypomania or mania, depression, suicidality, and mood-episode severity; additional treatment or hospitalization for mood symptoms; or attempted or completed suicide. Key secondary outcomes included the time to an episode of mania or hypomania or depression.

方法;抑うつエピソードが寛解してまもない双極 I 型障害患者を対象として,エスシタロプラムまたはブプロピオン XL(bupropion XL)を補助的に投与する維持療法を,抗うつ薬療法中止と比較する多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った.患者を,寛解後 52 週間抗うつ薬の投与を継続する群と,8 週の時点でプラセボに切り替える群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要転帰はすべての気分エピソードとし,生存時間(time-to-event)解析で評価した.その定義は,症状評価尺度スコアに基づく軽躁,躁,抑うつ,自殺リスク,気分エピソードの重症度;気分症状に対する追加の治療または入院;自殺企図または自殺死亡とした.重要な副次的転帰は,躁/軽躁エピソードまでの期間,抑うつエピソードまでの期間などとした.

RESULTS

Of 209 patients with bipolar I disorder who participated in an open-label treatment phase, 150 who had remission of depression were enrolled in the double-blind phase in addition to 27 patients who were enrolled directly. A total of 90 patients were assigned to continue treatment with the prescribed antidepressant for 52 weeks (52-week group) and 87 were assigned to switch to placebo at 8 weeks (8-week group). The trial was stopped before full recruitment was reached owing to slow recruitment and funding limitations. At 52 weeks, 28 of the patients in the 52-week group (31%) and 40 in the 8-week group (46%) had a primary-outcome event. The hazard ratio for time to any mood episode in the 52-week group relative to the 8-week group was 0.68 (95% confidence interval [CI], 0.43 to 1.10; P=0.12 by log-rank test). A total of 11 patients in the 52-week group (12%) as compared with 5 patients in the 8-week group (6%) had mania or hypomania (hazard ratio, 2.28; 95% CI, 0.86 to 6.08), and 15 patients (17%) as compared with 35 patients (40%) had recurrence of depression (hazard ratio, 0.43; 95% CI, 0.25 to 0.75). The incidence of adverse events was similar in the two groups.

結果:非盲検投与期に参加した双極 I 型障害患者 209 例のうち,抑うつが寛解した 150 例が,直接組み入れられた 27 例とともに二重盲検期に組み入れられた.90 例が処方された抗うつ薬の投与を 52 週間継続する群(52 週群)に割り付けられ,87 例が 8 週の時点でプラセボに切り替える群(8 週群)に割り付けられた.登録が進まなかったことと研究費の限界のため,試験は募集人数に達する前に中止された.52 週の時点で,主要転帰のイベントは 52 週群の 28 例(31%)と 8 週群の 40 例(46%)に生じていた.52 週群の,8 週群に対するすべての気分エピソードを発症するまでの期間のハザード比は,0.68(95%信頼区間 [CI] 0.43~1.10,log-rank 検定で P=0.12)であった.躁/軽躁エピソードは,52 週群では 11 例(12%)に発生したのに対し,8 週群では 5 例(6%)であり(ハザード比 2.28,95% CI 0.86~6.08),抑うつエピソードの再発は,52 週群では 15 例(17%)に認められたのに対し,8 週群では 35 例(40%)であった(ハザード比 0.43,95% CI 0.25~0.75).有害事象の発現率は 2 群で同程度であった.

CONCLUSION

In a trial involving patients with bipolar I disorder and a recently remitted depressive episode, adjunctive treatment with escitalopram or bupropion XL that continued for 52 weeks did not show a significant benefit as compared with treatment for 8 weeks in preventing relapse of any mood episode. The trial was stopped early owing to slow recruitment and funding limitations. (Funded by the Canadian Institutes of Health Research; ClinicalTrials.gov number, NCT00958633. opens in new tab.)

結論:抑うつエピソードが寛解してまもない双極 I 型障害患者を対象とした試験において,エスシタロプラムまたはブプロピオン XL の補助的投与を 52 週間継続しても,8 週間投与した場合と比較して,すべての気分エピソードの再発予防における有意な利益は認められなかった.登録が進まなかったことと研究費の限界のため,試験は早期に中止された.(カナダ健康研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00958633)エスシタロプラムはもっとも躁転しにくい抗うつ薬でもあります維持療法に優位な効果がないとの論文は私個人の薬剤調整では深い落ち込みを予防するためにSSRIも候補にいれておりますので意外性もありました。引き続き臨床で評価検証を継続したいと思います

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夏季休暇のお知らせ

酷暑のなか、コロナウイルスならびにパルボウイルス等感染症の影響が続いております変異するウイルスに対応する私たちの免疫力が下がらないよう給水のみならずしっかりとした栄養や睡眠の確保をしていきましょう

今年度は8/8(木曜日)から8/12(月曜日)まで夏季休暇を頂きます。療養中の患者、関係医療機関にはご迷惑をお掛けしますがご理解のほど宜しくお願い申し上げます

クリニック以外のお仕事

梅雨入りの声な否や気温と湿度が上昇し身体のペースが追いつきにくい日々です

朝と夕のスイッチを切り替えて対応できるお手伝いができるよう心掛けていきます

昨年に引き続き、高校生から総合研究発表における質疑があり6月28日にオンラインでの講義をさせていただきました。『暗記学習に効果的な音楽とは?』『睡眠の質を向上させるには?』。2つの班からのお問い合わせにレジュメを作成し、Zoomを介して知識の共有と発表におけるご助言といったお仕事です。テーマは私たちの生活の質を向上させる興味深いものであり、とても熱心な学生の方々との対話は興味深いものでした。限られた高校生活を価値があるものとし社会にこれから羽ばたく若い人の前向きな姿勢に有難い機会を与えていただき感謝致します。また、仕事の都合上夜間の講義にも関わらずファシリテーターの方、担任の先生も時間外の対応をしてくださり誠にありがとうございます。効果的な学習や良質な睡眠から日々の生活がより良いものになることを願っております。勉強会講師にお声掛けいただいた、パル薬局薬剤師(慶応義塾大学/昭和薬科大学)三谷先生が日本老年期薬学会総会でご発表されました地域高齢者フォーミュラリ(睡眠薬)に関してアドバイザーとして関わらせていただきました。論文は読むだけの生活となっている町医者が調べものをして臨床経験と合わせてお役に立てるのであれば再度勉強を仕上げる貴重な機会をいただいていると実感しております。現在は高齢者施設認知症治療のフォーミュラリにも関わらせていただいています。当院でもグループホームなどで在宅精神療法のもと高齢者認知症治療を行っておりますが、医療は非力であり現場の声や協力内科医療機関、福祉との併走、地域包括ケアシステムにおける行政との関わりから治療の捉え方は確実に変わってきております

外での仕事はクリニック内での仕事に繋がります。限られた時間の中からアウトプットを軽視せず、ご依頼いただいたお仕事を手掛けられるようでありたいです

暑くなってきましたので皆さま体調、心身のバランスにご自愛ください

「失われた自分らしさ」を取り戻し、心身ともに健康な姿をめざしませんか?

訪問診療/往診/JR南武線武蔵中原よりアクセス良好/当日予約受付/固定医師によるかかりつけ制/自立支援医療・生活保護認定機関/武蔵新城/武蔵小杉/日吉/新丸子/溝の口/溝ノ口/高津/川崎市/中原区/認知症/ひきこもり/うつ病/不眠症/発達障害/不登校/精神科/心療内科/精神科訪問診療/精神科専門医/認知症サポート医

睡眠の重要性と薬物療法に関わる医師の視座

調子が悪くなると布団からの行動を起こしにくくなるものです二度寝をしてしまったり、同じ事柄を繰り返し考えたり…..

ベッドの上での時間は極力短くすっきりと起きられるようご支援ができればと考えております。睡眠は眠前の過度な運動や直前に食事をして消化管を動かさないことが大切です

また視覚への刺激を避けるために暗闇でのタブレット端末操作も可能な限り少ない方が望ましいです。部屋を暗くし、カフェインフリーの飲料を夕方以降に飲まれることも重要でしょう。それでも寝むれない場合は睡眠薬を検討しましょう

様々な睡眠薬があります。最近では市販の睡眠薬もございますが、作用機序としては抗ヒスタミン作用(アレルギーのお薬や総合感冒薬)で眠くなるのと同じ機序であり入眠はよくても寝ざめが悪くりで受診される方も多くいらっしゃいます

睡眠は時間というよりは質、起床時の熟眠感と疲労の回復を意識していきましょう

今日の論文は精神科に限らず睡眠薬が大学病院にてどうように処方されているか検証されたものです

Trends in the multiple prescriptions of hypnotic drugs in a university outpatient in Japan.

日本の大学外来における催眠薬の複数処方の傾向。

AIMS : In Japan, the daily dosage of hypnotic drugs for insomnia treatment is increasing year by year, and over-dependence on treatment with hypnotic drugs is a major problem. This study aimed to examine the factors related to the elimination of prescriptions of three or more hypnotic drugs within 1 year in our clinic.

目的 : 日本では、不眠症治療のための睡眠薬の一日当たりの投与量は年々増加しており、睡眠薬治療への過度の依存が大きな問題となっています。 この研究は、当院において1 年以内に3種類以上の催眠薬の処方がなくなることに関する要因を調査することを目的としました。

METHODS : We conducted two surveys. Survey ① assessed the frequency of prescriptions of three or more hypnotic drugs by retrospectively reviewing the medical records of all patients who visited general and psychiatric outpatient clinics from January 2013 to March 2019. Survey ② assessed changes in prescriptions of hypnotic and psychotropic drugs within the subsequent year by retrospectively reviewing the medical records of all patients prescribed three or more hypnotic drugs who visited neuropsychiatric outpatient clinics multiple times between April 2013 and March 2019.

方法 : 2つの調査を実施しました。 調査①では、2013年1月から2019年3月までに一般外来および精神科外来を受診した全患者の診療記録を遡及的に調査し、3種類以上の睡眠薬の処方頻度を評価しました。調査②では、その後の1年間における睡眠薬および向精神薬の処方の変化を評価しました。 2013年4月から2019年3月までの間に精神神経科の外来を複数回訪れ、3種類以上の睡眠薬を処方されたすべての患者の医療記録を遡及的に調査して、1年間の評価を行った。

RESULTS : The frequency of prescribing three or more hypnotic drugs was six to nine times higher in psychiatry than in other departments. Flunitrazepam and brotizolam were the most common drugs prescribed and had the second lowest discontinuation rate after zolpidem. Conversely, eszopiclone, zopiclone, and suvorexant had the highest discontinuation rates. The success factors for drug reduction were age (odds ratio [OR]: 0.97, p < 0.0037), trazodone addition (OR: 12.86, p < 0.0194) and number of years of psychiatric experience.

結果 : 精神科では 3 種類以上の催眠薬を処方する頻度が他の科より 6 ~ 9 倍高かった。 フルニトラゼパムとブロチゾラムは最も一般的に処方されている薬剤であり、中止率はゾルピデムに次いで 2 番目に低かった。 逆に、エスゾピクロン、ゾピクロン、スボレキサントの中止率が最も高かった。 減薬の成功要因は、年齢(オッズ比[OR]: 0.97、p < 0.0037)、トラゾドンの追加(OR: 12.86、p < 0.0194)、精神科経験年数であった

CONCLUSIONS : The characteristics and success factors in relation to drug reduction in patients with multiple prescriptions of hypnotic drugs identified in this study may contribute to solving the problem of multiple prescriptions of hypnotic drugs.

結論:本研究で特定された睡眠薬を複数処方されている患者の減薬に関する特徴と成功要因は、催眠薬の複数処方の問題解決に貢献する可能性がある

精神科では3剤以上の睡眠薬と抗不安薬の内服はできません。それでも処方されている現状は睡眠薬への耐性が主たるものではありますが、長年内服してきた睡眠薬の変更に不安を感じる患者様が一定数いらっしゃることもございます。現在での内科の先生を中心に睡眠薬をブロチゾラムやフルニトラゼパムから開始されることがありますが、どちらも力価が強い為に精神科においてはこの2剤から処方されることはまずありません。初手はあくばでも非ベンゾジアゼピン系、または肝機能障害をおこさないロルメタゼパム。また適応外処方として眠前に使われるトラゾドンは抗うつ薬ではありますが、睡眠の深度を深くする作用がございます。具体的には睡眠の第3相と4相の割合が増えていきます、ただ難治性の睡眠障害の方には200㎎前後を使用しても効果に乏しい場合もあり。適応外処方を含めた再構成が求められますが環境因子へのアプローチが薬剤の選定以上に精神科医が目を配らせ、変容を共有していく必要があります

  1. Takao Kato, Nozomu Kotorii,et al; Neuropsychopharmacology reports. 2023 Nov 09; doi: 10.1002/npr2.12386.

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ミライ☆在宅委員会 第2回目講義 ご報告

小雨が降る寒い日曜日の夜にミューザ川崎4F会議室にて認定薬剤師(及び医療関係者や一般の方)向けに講義をさせていただきました。今回は90分という長い時間と準備期間がありましたので『不安』について疾患の理解、また精神科医の診断加療についてロールプレイを作成し実際に目の前で実演を致しました。包括的ケアというのは医療福祉教育が併行して支援に入ることです。一方で、他者の職責を理解しないまま仕事をすると近視眼的になりがちであり相互のコミュニケーションの前段階として相互の職責理解があると考えております。質問も事前にも講義後にも頂き強い関心を示してくださりありがとうございました

私の登壇は2回目ですが、2回目に及びいただけることは凄く価値があるという裏話も教えていただき、また3年後あたりでしょうか時勢に沿った価値ある貴重な休日の時間を価値がある時間として共有出来たらうれしく思います

主宰のミライ☆在宅移行委員会学術委員先生、オンラインを含めて聴講してくださった方皆様の勉強したいという強い熱気に乗せてもらう講義をさせていただきありがとうございました。自社作成やキュレーションサイトが作成した医師評価のアンケートばかり蔓延る世の中ですので生生しい参加者のアンケートをいただいたので転載致します

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2月25日 講義お知らせ

クリニックよりお知らせです

日曜日ではございますが、2月25日18時から19時30分まで「The Anxiety 不安への理解と非薬物療法 -精神科における初診の視座と鑑別をロールプレイから実演-」の表題のもと、JR川崎駅直結ミューザ川崎4階研修室①~③にて不安障害への理解ならびに臨床現場における操作診断の考え方について講義を行います

医師が何を根拠に病名を同定し、診断から治療への流れをしているのかをロールプレイのなかから一緒に考えてみませんか。不安障害については各疾患の鑑別や曖昧になりやすいため改めて線引きができるようなものを重点的にお話する予定です。時間があまれば質疑応答や在宅医療についてのディスカッションも検討します

主宰のミライ☆在宅委員会は薬剤師先生が中心でありますが、在宅医療の質の向上という点においては当院開設時よりのお付き合いです。現時点では業務上の関わりはなく互いの医療技術向上のための関係性ですがご縁は不思議と続いております。今回、2回目の登壇でありますが町医者にとって意欲高い医療者達との勉強会は登壇者であっても受講者であっても有難い機会なのです。医療関係者でなくても参加は可能です。価値ある時間を作れるよう努力致しますのでご参加お待ちしております 

以下のリンクよりhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc3GYTtXMWLsDHpeNJT5Gj1-IUIP4EDxqg6OTvo4JfZu8LsVw/viewform?fbclid=IwAR3D5ByCQh51TOJy2CNHmYHiU2Q8LVFlUvK00Y1vN-JnwRn_Du3mhX0d5Tc_aem_AT9iQ9mLuGiY9OGlCfGBz6HkLLvYzv443_TFN9fMH1rR1iS4gT_D11IOnptuWRinhDA

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高齢化社会にあたって「せん妄」の理解をみんなと深めたい

論文を考察し、市民の方と共有し始めたのは開院から一定の時間経ってからのことです

ホームページ内もしくはリンクされる情報はword pressで作成しておりお化粧をされておりませんので少々見づらく申し訳ございません。クリニックを立ち上げたときから責任をもって診察以外の面も状況を把握して私自身がクリニックの広報や連携医療機関や施設行政との関わりがあるソーシャルワーカーとしての役割、また医療事務職と少しづつですが相互理解のために勉強してきたものです。おかげ様で外来にはたくさんの患者様にいらしていただいておりますが、当クリニックでは今後も非常勤であれ医師の雇用は考えておりません。非常勤医師の継続率は低く、医師の資質もありますが何より非常勤であってもかかりつけ医が離れることが患者様への影響を考慮したためです。分院や外来のブースを増やすことは営利上いま推し進めることとわかってはいますがこのスタンスで5年目も運用を続け全体を診察に特化せずに動体であるクリニックを動かしながら精一杯の包括的な医療や運営をしていきます。そのなかで、このブログの作業ですが実は小医のような零細クリニックであれ営業がいらっしゃり「先生のお手間でしょうから」と提案された文章は疾病名への簡単な周辺知識しかなく、市民の方がご自身でクリニックを検索するのと同様が多く医療コンサルティングがWebライターに書いてもらいっているのがよく見てきた世界観です。それを求めている市民もたくさんしらっしゃることも知っておりますが他にもそのようなクリニックは多数あります。私はせっかく、ホームページまで入り込んでくださった方にはほんの一つでも簡単にたどり着けない知識を共有させてもらえたらと思い、鮮度もある論文選定しております。

過去格納されている論文もエッセンスであれ、日常生活に落とし込めるものがあるかもしれません。読んでいただいた以上は、お土産のような知識で生活の質が上がれば私にとってはまったく苦ではなく嬉しい作業です。本日は総合病院における「せん妄」の状況と可能な限り防げる薬剤についてですね。

簡単ではありますが、まず「せん妄」についてご説明します

せん妄は、突然発生して変動する精神機能の障害で、通常は回復可能です。注意力および思考力の低下、見当識障害、覚醒(意識)レベルの変動を特徴とします1)

一見認知症のように思えますが、異なるのです

せん妄では主に注意力が障害され、認知症では主に記憶力が障害されます

せん妄は突然発生し、始まった時点を特定できる場合が多いです。認知症は一般にゆっくり発生し、いつ始まったのかをはっきり特定できません

せん妄はどの年齢層でも起こりえますが、高齢になるほど多くなります。介護施設の入居者にはせん妄が多くみられます。若い人のせん妄は、通常薬物使用または生命を脅かす病気が原因で起こります。

せん妄は施設入所中や長期入院中の患者さまの15から50%に発生し、合併症を引き起こす可能性が10倍に引きあがります。またせん妄を引き起こすと、せん妄そのものとは限りませんが、35%が何かしらの要因で死亡に至るためにせん妄予防は非常に重要です

原因となりえる、脱水・感染・低栄養。褥瘡をチームスタッフと共有することがまず大事であり、医師薬剤師は不要なせん妄を引き起こす薬剤の減薬中止も予防では重要となります

総合病棟の高齢患者における認知症に重なるせん妄の危険因子。

Risk Factors for Delirium Superimposed on Dementia in Elderly Patients in Comprehensive Ward.2

OBJECTIVE : To investigate the incidence of delirium and its related risk factors in patients with senile dementia during hospitalization.

目的: 入院中の老人性認知症患者におけるせん妄の発生率とそれに関連する危険因子を調査すること

METHODS : A retrospective analysis of clinical data of 157 patients over 65 with cognitive impairment who were hospitalized in the comprehensive ward from October 2019 to February 2023 was conducted. Patients were assigned into delirium and non-delirium groups according to whether they exhibited delirium during hospitalization. General information about the patients and Visual Analogue Scale (VAS) score, blood C-reactive protein level, and blood superoxide dismutase (SOD) level were recorded. Univariate analysis was used to identify potential risk factors for delirium, and factors with statistical significance were subjected to multivariate logistic regression analysis. A prediction line chart for delirium in elderly dementia patients was constructed using R 4.03 software, and the model was validated.

方法:2019年10月から2023年2月までに総合病棟に入院した65歳以上の認知障害患者157人の臨床データの遡及的分析を実施した。患者は、入院中にせん妄を呈したかどうかに応じて、せん妄群と非せん妄群に割り当てられた。患者に関する一般情報、Visual Analogue Scale (VAS) スコア、血中 C 反応性タンパク質レベル、血中スーパーオキシド ジスムターゼ (SOD) レベルが記録されました。せん妄の潜在的な危険因子を特定するために単変量解析が使用され、統計的に有意な因子は多変量ロジスティック回帰分析に供されました。高齢認知症患者のせん妄の予測折れ線グラフが R 4.03 ソフトウェアを使用して作成され、モデルが検証されました

RESULTS : Among the 157 patients with senile dementia, 42 patients exhibited delirium and 115 patients exhibited non-delirium. Multivariate logistic regression analysis showed that diabetes, cerebrovascular disease, VAS score ≥4 points, use of sedative drugs, and blood SOD <129 U/mL were independent risk factors for delirium during hospitalization in elderly dementia patients. A prediction nomogram was plotted based on the five risk factors, and receiver operating characteristic curve analysis presented an area under the curve of .875 (95% CI: .816-.934). The nomogram model was internally validated by the Bootstrap method, and the calibration curve showed good agreement between predicted and actual results. Hosmer-Lemeshow test demonstrated that the model had a good fit and high predictive ability.

結果 : 老人性認知症患者 157 人のうち、42 人がせん妄を示し、115 人が非せん妄を示した。多変量ロジスティック回帰分析により、糖尿病、脳血管疾患、VAS スコア 4 点以上、鎮静剤の使用、血中 SOD 129 U/mL 未満が、高齢認知症患者の入院中のせん妄の独立した危険因子であることが示されました。 5つの危険因子に基づいて予測ノモグラムがプロットされ、受信者動作特性曲線分析では、曲線下面積 .875 (95% CI: .816-.934) が示されました。ノモグラム モデルはブートストラップ法によって内部検証され、検量線は予測結果と実際の結果がよく一致していることを示しました。 Hosmer-Lemeshow 検定により、モデルの適合性と高い予測能力が実証されました

CONCLUSION : Diabetes, cerebrovascular disease, VAS ≥4 points, use of sedative drugs, and blood SOD <129 U/mL were independent risk factors for delirium in patients with senile dementia during hospitalization. The nomogram model had good accuracy and clinical application value for predicting delirium in this study.

結論: 糖尿病、脳血管疾患、VAS 4 点以上、鎮静剤の使用、血中 SOD <129 U/mL は、入院中の老人性認知症患者におけるせん妄の独立した危険因子でした。このノモグラム モデルは、この研究におけるせん妄を予測するための精度が高く、臨床応用価値がありました。

論文においては脱水や感染症に加えて糖尿病や脳血管疾患など血管性病変ならびに内服薬では鎮痛剤の使用がせん妄リスクとして認められました。実際に臨床の場では整形外科疾患における慢性的な高齢者の鎮痛剤使用は想像よりも多いものです。個人的にはそこまで抗炎症作用はないものと思っているのですが・・。次月には慶応大学薬学部講師兼昭和薬科大学講師である三谷薬剤師主宰の薬剤師向け勉強会があります。この論文を読み施設での鎮痛剤処方について医療関係者とも意識付けを思った対応をしていきたいです。貴方のお父様やお母さまにカロナールやロキソニンの調布役ならびに内服薬が漫然とでていませんか?果たしてそれは必要なお薬なのでしょうか。

1) Juebin Huang , MD, PhD, Department of Neurology, University of Mississippi Medical Center.2021,March

2)Qifan Xiao, Suqiao Zhang et al; JournalAmerican journal of Alzheimer’s disease and other dementias. 2023 Jan-Dec;38

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2024 営業開始日時のお知らせ

暖冬のなか、今年も1年が明けました。石川県の能登半島地震や羽田空港における事故など年始より外的環境も厳しい環境となりました。私たちに出来ることは可能な限り、準備をしその準備が追いつかないようで手綱を緩め自分なりのペースで生活を作っていくことのお手伝いでしかありません。心身の健康のサポートが出来るようスタッフ一同力を合わせて価値観を共有していきたいと思っております。クリニックも今年で5年目を迎えるにあたり、失われた場所の再獲得を忘れずに本年1月4日9時より営業を開始致します。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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勤労感謝の日

戦前は、「勤労感謝の日」ではなく、「新嘗祭(にいなめさい)」という祭日でした。この新嘗祭は、その年の収穫物に感謝し、翌年の豊作を神様に祈る行事です。戦後になると、GHQに国家神道の色が強い新嘗祭という名前の祭日を、違う名前の祝日にするようにいわれたことから、1948年(昭和23年)に祝日法によって「勤労感謝の日」と定められました。働くことによって、自らの存在意義・実質を感じられることは多々あります。私自身もお仕事のなかから自分自身のアイデンティティを模索し続けています

様々な事由により仕事が出来なくなった方 仕事をしたくても出来ない方

これから社会に出ていく方 ブランクを経て社会に出ていく方

心より応援し、医療の側面から支援していきたいです。そしてそのような状況に関わらせていただくことに感謝致します

武蔵中原駅から徒歩1分の心療内科 “中原こころのクリニック”

「失われた自分らしさ」を取り戻し、心身ともに健康な姿をめざしませんか?

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