日本と世界の疾患別 死因統計の検討

私たちが思い浮かぶ怖い病気といえば「悪性腫瘍(癌)」「心疾患(心筋梗塞・不安定狭心症等)」「脳血管疾患(脳梗塞・脳出血等)」を怖い病気=死に直結する病気と考えますよね

私は自分の両親が好きであり、父親が食道憩室を持病で持っておりました。憩室とは消化管の一部が内側にせり出たものがポリープ、外側にせり出たものが憩室

良性な腫瘍ともいえます。大腸の場合は10㎜を超える良性な腫瘍は癌化する可能性もあるために大腸カメラで事前に摘出し癌を予防できる時代となりました。

父親が近くに太い血管が走っており憩室の摘出が難しく何かを機会に敗れたら即死すると幼稚園児の時に言われ絶望的となった覚えがあります。それから35年経ちますが父は皮膚科の医師として毎日100人の患者様を診させていただいています。心配した35年はあっという間に過ぎました。では私たちはいったいどんな病気で命が危機にさらされるのでしょう。

【日本人の死因(2019年)】1)

1位 悪性新生物(腫瘍) 27.3%

2位 心疾患(高血圧性を除く) 15.0%

3位 老衰 8.8%

4位 脳血管疾患 7.7%

5位 肺炎 6.9%

6位 誤嚥性肺炎 2.9%

7位 不慮の事故 2.9%

8位 腎不全 1.9%

9位 血管性及び詳細不明の認知症 1.5%

10位 アルツハイマー病 1.5%

「老衰」の定義は確固たるものがありません

加齢性の病変や衰えと死は本来別に考えるものでもあるでしょう

そのため死亡診断書を作成する際には「老衰状態」でお亡くなりになった患者様は乏尿(1日の尿量が400mL以下。ちなみに無尿は1日の尿量が100mL以下であり全くでないわけではありません)や心機能が低下しているため多臓器不全と記載させていただくことがあります。生きた証として適切な病名をつけることも最期まで生き抜いたご本人さまに向けた尊厳の尊重として医師の大切な仕事ではないでしょうか。

【世界の死因(2019年)】2)

1位 虚血性心疾患

2位 脳卒中

3位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

4位 下気道感染症

5位 新生児固有の状態

6位 気管・気管支・肺癌

7位 アルツハイマー病を含む認知症

8位 下痢性疾患

9位 糖尿病

10位 腎臓病

世界の死因では劣悪な環境における若年層における下痢や下気道感染症(主たるものは肺炎)日本にはほとんどの方が助かる疾患で乳児や幼児がなくなる一方でこのような後進国を含めたパラメータにも関わらず認知症を死因とする順位が日本より高いことになります。

日本に認知症は病棟での治療経験がある医師がみるべきでしょう。認知症の種別や合併疾患や基礎疾患との関連性を考慮すると治療の見極めは非常に難しい疾患でもあります。総合病院においては病棟で他科から依頼を受け治療を行うリエゾンもしくは主担当医としてみる精神科・神経内科・脳外科医がみる疾患でしょう。一方で訪問診療をすると施設では内科の先生が担当している場合が多くで処方薬についても、環境調整も病棟での治療経験がないため難しい現状があります。非常勤勤務をしているハートフル川崎病院には誤った治療の挙句入院に至るケースも多く、現代の放置されている社会的な問題と捉えてもいいのではないでしょうか私の指導医の言葉で「餅は餅屋」という言葉ありました。内科の知識があっても分かったうえでコンサルトをかけようと指導されました。一方で認知症の治療は治療経験がない先生が薬のみ処方し、医療における地域包括ケアシステムの理解が乏しい状況にあります。医療と福祉が伴わなければ治療は奏功しません。もしご覧の方が、在宅医療を受けられるのであれば、外来を選ぶときと同じように主担当医がどの専門医であるのか確認したうえで相談しながら治療を受けられることをお勧めします。このような状況を踏まえて当院では認知症の予防と治療を12年の経験と最新の論文をもとにした知見と社会的環境整備から尽力していきます

認知症を予防したいという方もどうぞお気軽にお声掛けください.世界的には死因に数えられる怖い疾患でありますが、一方で適切な治療のもと進行の予防できる病気になりつつあります

1)厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」(令和元年2019)

2)世界保健機構 2020死因統計より抜粋

「失われた自分らしさ」を取り戻し、心身ともに健康な姿をめざしませんか?

訪問診療/往診/JR南武線武蔵中原よりアクセス良好/当日予約受付/固定医師によるかかりつけ制/自立支援医療・生活保護認定機関/武蔵新城/武蔵小杉/日吉/新丸子/溝の口/溝ノ口/高津/川崎市/中原区/認知症/ひきこもり/うつ病/不眠症/発達障害/不登校/精神科/心療内科/精神科訪問診療/精神科専門医/認知症サポート医