調子が悪くなると布団からの行動を起こしにくくなるものです二度寝をしてしまったり、同じ事柄を繰り返し考えたり…..
ベッドの上での時間は極力短くすっきりと起きられるようご支援ができればと考えております。睡眠は眠前の過度な運動や直前に食事をして消化管を動かさないことが大切です
また視覚への刺激を避けるために暗闇でのタブレット端末操作も可能な限り少ない方が望ましいです。部屋を暗くし、カフェインフリーの飲料を夕方以降に飲まれることも重要でしょう。それでも寝むれない場合は睡眠薬を検討しましょう
様々な睡眠薬があります。最近では市販の睡眠薬もございますが、作用機序としては抗ヒスタミン作用(アレルギーのお薬や総合感冒薬)で眠くなるのと同じ機序であり入眠はよくても寝ざめが悪くりで受診される方も多くいらっしゃいます
睡眠は時間というよりは質、起床時の熟眠感と疲労の回復を意識していきましょう
今日の論文は精神科に限らず睡眠薬が大学病院にてどうように処方されているか検証されたものです
Trends in the multiple prescriptions of hypnotic drugs in a university outpatient in Japan.
日本の大学外来における催眠薬の複数処方の傾向。
AIMS : In Japan, the daily dosage of hypnotic drugs for insomnia treatment is increasing year by year, and over-dependence on treatment with hypnotic drugs is a major problem. This study aimed to examine the factors related to the elimination of prescriptions of three or more hypnotic drugs within 1 year in our clinic.
目的 : 日本では、不眠症治療のための睡眠薬の一日当たりの投与量は年々増加しており、睡眠薬治療への過度の依存が大きな問題となっています。 この研究は、当院において1 年以内に3種類以上の催眠薬の処方がなくなることに関する要因を調査することを目的としました。
METHODS : We conducted two surveys. Survey ① assessed the frequency of prescriptions of three or more hypnotic drugs by retrospectively reviewing the medical records of all patients who visited general and psychiatric outpatient clinics from January 2013 to March 2019. Survey ② assessed changes in prescriptions of hypnotic and psychotropic drugs within the subsequent year by retrospectively reviewing the medical records of all patients prescribed three or more hypnotic drugs who visited neuropsychiatric outpatient clinics multiple times between April 2013 and March 2019.
方法 : 2つの調査を実施しました。 調査①では、2013年1月から2019年3月までに一般外来および精神科外来を受診した全患者の診療記録を遡及的に調査し、3種類以上の睡眠薬の処方頻度を評価しました。調査②では、その後の1年間における睡眠薬および向精神薬の処方の変化を評価しました。 2013年4月から2019年3月までの間に精神神経科の外来を複数回訪れ、3種類以上の睡眠薬を処方されたすべての患者の医療記録を遡及的に調査して、1年間の評価を行った。
RESULTS : The frequency of prescribing three or more hypnotic drugs was six to nine times higher in psychiatry than in other departments. Flunitrazepam and brotizolam were the most common drugs prescribed and had the second lowest discontinuation rate after zolpidem. Conversely, eszopiclone, zopiclone, and suvorexant had the highest discontinuation rates. The success factors for drug reduction were age (odds ratio [OR]: 0.97, p < 0.0037), trazodone addition (OR: 12.86, p < 0.0194) and number of years of psychiatric experience.
結果 : 精神科では 3 種類以上の催眠薬を処方する頻度が他の科より 6 ~ 9 倍高かった。 フルニトラゼパムとブロチゾラムは最も一般的に処方されている薬剤であり、中止率はゾルピデムに次いで 2 番目に低かった。 逆に、エスゾピクロン、ゾピクロン、スボレキサントの中止率が最も高かった。 減薬の成功要因は、年齢(オッズ比[OR]: 0.97、p < 0.0037)、トラゾドンの追加(OR: 12.86、p < 0.0194)、精神科経験年数であった。
CONCLUSIONS : The characteristics and success factors in relation to drug reduction in patients with multiple prescriptions of hypnotic drugs identified in this study may contribute to solving the problem of multiple prescriptions of hypnotic drugs.
結論:本研究で特定された睡眠薬を複数処方されている患者の減薬に関する特徴と成功要因は、催眠薬の複数処方の問題解決に貢献する可能性がある
精神科では3剤以上の睡眠薬と抗不安薬の内服はできません。それでも処方されている現状は睡眠薬への耐性が主たるものではありますが、長年内服してきた睡眠薬の変更に不安を感じる患者様が一定数いらっしゃることもございます。現在での内科の先生を中心に睡眠薬をブロチゾラムやフルニトラゼパムから開始されることがありますが、どちらも力価が強い為に精神科においてはこの2剤から処方されることはまずありません。初手はあくばでも非ベンゾジアゼピン系、または肝機能障害をおこさないロルメタゼパム。また適応外処方として眠前に使われるトラゾドンは抗うつ薬ではありますが、睡眠の深度を深くする作用がございます。具体的には睡眠の第3相と4相の割合が増えていきます、ただ難治性の睡眠障害の方には200㎎前後を使用しても効果に乏しい場合もあり。適応外処方を含めた再構成が求められますが環境因子へのアプローチが薬剤の選定以上に精神科医が目を配らせ、変容を共有していく必要があります
- Takao Kato, Nozomu Kotorii,et al; Neuropsychopharmacology reports. 2023 Nov 09; doi: 10.1002/npr2.12386.
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