SM(ソーシャルメディア)と私たちの生活の影響を考える

コロナ禍において私たちの生活は大きく変化しました

在宅における仕事や学習機会の増加。web会議やオンライン診療の拡充など良くも悪くも時代が音を立てて変化する速度は想定よりも早くこの変化についていく、対応することは私たちにとって大きなストレスであったことは間違いありません。Glossomにおける「スマホでの情報収集に関する定点調査」では2019年以降毎年利用時間は伸び続けており2021年の調査では10代から70代1442人の日本人における1日あたり利用時間は「136分」と前年度より10分近く利用時間は増加しています。とても便利なソーシャルメディア、健康的側面としてはどのような影響があるのか新しい論文をご紹介いたします

Taking a One-Week Break from Social Media Improves Well-Being, Depression, and Anxiety: A Randomized Controlled Trial1)

ソーシャルメディアから1週間の休憩を取ると、幸福、うつ病、不安が改善される:ランダム化比較試験

INTRODUCTION

The present study aimed to understand the effects of a 1-week break from social media (SM) (Facebook, Instagram, Twitter, and TikTok) on well-being, depression, and anxiety compared with using SM as usual. We also aimed to understand whether time spent on different SM platforms mediates the relationship between SM cessation and well-being, depression, and anxiety.

本研究は、ソーシャルメディア(SM)(Facebook、Instagram、Twitter、TikTok)からの1週間の休憩が、通常のSMを使用した場合と比較して、幸福、うつ病、不安に及ぼす影響を理解することを目的としています。 また、さまざまなSMプラットフォームで費やされた時間が、SMの停止と幸福、うつ病、不安との関係を媒介するかどうかを理解することも目的としました。

METHODS

We randomly allocated 154 participants (mean age of 29.6 years) to either stop using SM (Facebook, Twitter, Instagram, and TikTok) for 1 week or continue to use SM as usual. At a 1-week follow-up, significant between-group differences in well-being (mean difference [MD] 4.9, 95% confidence interval [CI] 3.0-6.8), depression (MD -2.2, 95% CI -3.3 to -1.1), and anxiety (MD -1.7, 95% CI -2.8 to -0.6) in favor of the intervention group were observed, after controlling for baseline scores, age, and gender.

SM(Facebook、Twitter、Instagram、TikTok)の使用を1週間停止するか、通常どおりSMを使用し続けるために、154人の参加者(平均年齢29.6歳)をランダムに割り当てました。 1週間のフォローアップで、幸福度(平均差[MD] 4.9、95%信頼区間[CI] 3.0-6.8)、うつ病(MD -2.2、95%CI -3.3〜 -1.1)、およびベースラインスコア、年齢、および性別を制御した後、介入群を支持する不安(MD -1.7、95%CI -2.8〜-0.6)が観察されました。

RESULTS:

The intervention effect on well-being was partially mediated by a reduction in total weekly self-reported minutes on SM. The intervention effect on depression and anxiety was partially mediated by a reduction in total weekly self-reported minutes on Twitter and TikTok, and TikTok alone, respectively. The present study shows that asking people to stop using SM for 1 week leads to significant improvements in well-being, depression, and anxiety. Future research should extend this to clinical populations and examine effects over the longer term.

幸福への介入効果は、SMに関する毎週の自己申告時間の合計の減少によって部分的に媒介されました。 うつ病と不安に対する介入効果は、TwitterとTikTok、およびTikTokのみで、それぞれ毎週の自己申告時間の合計の減少によって部分的に媒介されました。 本研究は、SMの使用を1週間停止するように人々に求めることは、幸福、うつ病、および不安の有意な改善につながることを示しています。 将来の研究では、これを臨床集団に拡張し、長期的な影響を調べる必要があります。

考察:当研究はSNSを1週間休む集団81人(介入群)と通常通り利用する集団71人(対照群)に1:1でランダム割り付けられたコントロール試験である。幸福への介入効果はベースライン時と1週間後にWEMWBSにてうつ症状をPHQ及び不安症状についてはGADを用いてベースラインからの変化量を検討したものである。抑うつ・不安症状と混在化しやすいものは匿名性が高いTwitterやTikTokにより作業時間減少ととも症状改善を認めることは依存度が高いほど抑うつ不安症状の増悪につながるリスクも存在する

便利であり無限の可能性を秘めているソーシャルメディアとの付き合い方は脳における視覚野や目の網膜への刺激から睡眠障害、スマートフォン利用によるストレートネックにおける肩こり、眼精疲労、頭痛といった自律神経症状。身体化症状として頭痛の鑑別のなかで以前は筋緊張性頭痛や片頭痛から身体化症状としての頭痛や器質性疾患を評価検討しておりましたが、最近では筆頭にストレートネックにおける自律神経症状としての頭痛の頻度が外来では多く感じられております。Riskという言葉は日本語であるとネガティブな印象がございますが、中立性があります。ソーシャルメディア利用も利便性や遊戯性ときにリラクゼーションといったもの他者とのオンラインを介した感情疎通性の構築など自分自身にとっての正の面と健康被害といった負の面の使い分けならびに依存しない仕組みつくりが求められています。適度な付き合いかたを私自身も模索していきたいです

1)Jeffrey Lambert, et al; Cyberpsychol Behav Soc Netw. 2022 May;25(5):287-293.

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