ファイザー社製mRNAコロナワクチンに対する解熱鎮痛剤の有用性についての調査報告(第2回接種後)

初夏の候、汗ばむ季節となりました

当院では外来及び訪問診療に患者様との接する機会が多いために令和3年5月1日と22日にワクチンの予防接種を行いました。

事前に連携病院にアレルギー反応としてのアナフィラキシーや発熱対応につきコンサルト。当日と、翌日に解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン:カロナール©)を内服のもと摂取されたとご教示頂きました。その点を踏まえて当院では摂取当日夕食後・翌日夕食後にセレコキシブ:セレコックス©100㎎、ベポスチンベジル酸塩:タリオン©10㎎)を計2回予防投与の判断をしております。

【目的】予防接種後に副反応が多く散見される、第2回目の摂取後における解熱鎮痛剤及び抗アレルギー剤併用の有用性の検討するために摂取後に調査を行った。全国的に令和3年2月 17 日から令和3年5月 16 日までに報告された死亡事例は計 55 件となった1)

今後、ワクチン接種対象者が医療従事者から高齢者及び市民へ規模を含め移り行くなかで副反応についての調査を行った

【方法】医療従事者職員(n=6)に対して、セレコキシブ:セレコックス©100㎎、ベポスチンベジル酸塩:タリオン©10㎎それぞれ1T1X/2TDで適応外処方として処方し、同意下にてワクチン接種後に内服してもらった。n=6の内訳は(20代女性1名、30代男性1名、40代女性1名、40代男性1名、50代女性1名、60代女性1名)。60代女性に乳がんの既往があるがその他の職員に基礎疾患はない。翌日より38度を超える発熱者は4名。接種部位への圧痛や倦怠感はすべての接種者に出現した。20代女性と30代男性の発熱は2日間ほど遷延したbrain fogといった精神神経症状の出現やアレルギー反応における喉頭浮腫や呼吸苦は認めなかった。

【結語】被験者の数は少なく大規模調査の結果が待たれるところであるが、解熱鎮痛剤(当院ではNSAIDs:セレコキシブ:セレコックス©)内服下においても強い発熱症状を認めていた。体熱感が目立つが、生活に支障があるほどの倦怠感ではなかったが、摂取日翌日が日曜日であったことも幸いした。CDCからは予防投与が無い状況における副反応は接種の翌日に最も頻度が多く、1回目接種においては、接種部位の疼痛が約65%、倦怠感、頭痛、筋肉痛が約20%に、悪寒や発熱が約7%に報告されています。2回目接種においては、接種部位の疼痛は約65%に、倦怠感、頭痛、筋肉痛が約40%に、悪寒や発熱が約20%に報告されています。65歳以上と65歳未満を比べると、65歳以上の方がいずれの副反応の発生頻度も低かったとう報告と概ね一致しております。急性アレルギー症状が起こらなかったことはありますが、解熱鎮痛時内服下においても発熱の副反応を防ぐほどには効果が乏しかったと評価した。CDCでは予防投与は推奨していないが、反対もしていないといったスタンスであり今後より安心してワクチン接種が可能となることが望まれます

参考資料

1. 第 60 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応

検討部会、令和3年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分

科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料1-3;2021 5 26

2. Reactogenicity Following Receipt of mRNA-Based COVID-19 Vaccines | Vaccination | JAMA | JAMA Network

 

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